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教皇フランシスコ  2023年6月25日のお告げの祈り 教皇フランシスコ 2023年6月25日のお告げの祈り  (ANSA)

「自分が恐れるべきものは何かを考えよう」教皇、日曜正午の祈り

教皇フランシスコは、6月25日(日)、バチカンで正午の祈りの集いを持たれた。

 教皇フランシスコは、6月25日(日)、お告げの祈りをバチカンの広場の巡礼者と共に唱えられた。

 年間第12主日、教皇はこの集いで、この日の福音朗読箇所であるマタイ福音書の一節、イエスが弟子たちに「恐れるな」と繰り返される場面(10,26-33)を取り上げ、説教を行われた。

 教皇の説教の要旨は次のとおり。

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 今日の福音で、イエスは弟子たちに三度も「恐れるな」(マタイ10,26.28.31)と繰り返される。イエスがこの箇所の少し前に、福音のために受けるであろう迫害について語っているように、教会はその始まりから多くの迫害を体験してきた。神の御国を告げることは、兄弟愛とゆるしに基づく平和と正義のメッセージであるにも関わらず、反対や暴力や迫害受けることは矛盾したことに思われる。しかし、イエスは「恐れるな」と言われる。それは、世の中はすべてうまくいくからではなく、御父にとってわたしたちは大切な存在であり、良いことのすべては失われることがないからである。イエスはわたしたちに、恐れにとらわれ身動きできずにいるより、ただ一つのことを恐れよ、と言われる。それは何だろうか。

 それをイエスが用いる「地獄=ゲヘナ」(参照 マタイ10,28)のイメージを通して考えてみよう。ゲヘナ(ヒンノムの谷)とは、エルサレムの人々にはよく知られた、大きなゴミ捨て場であった。イエスは、本当に恐れるべきことは、自分自身の人生を捨てることだと言うためにこの言葉を用いられた。それは、福音に忠実に留まるために受ける無理解や批判を恐れるのではなく、人生を満たさない重要ではないことを追い求めて、人生を無駄にするのを恐れよ、ということである。

 これは、わたしたちにとっても重要である。事実、今日も世間のモデルに沿わないからといって、軽蔑されたり差別されたりすることがあるかもしれない。しかし、世の中で中心に置かれるものは、人より物、関係より効率、といった本質的でないものが多い。たとえば、親たちは家族を支えるために働くが、仕事のためだけに生きることはできない。子どもたちと一緒にいる時間が必要だからである。司祭や修道者にしても、奉仕に専念しなくてはならないが、イエスと共にいるための時間を忘れてはならない。さもなければ、世俗的な精神に陥り、司祭や修道者である意味を失ってしまう。若者たちも、学校やスポーツ、その他様々な興味、携帯電話やソーシャルメディアなど、多くの予定や情熱を持っているが、何も残さない過ぎ去る事柄に時間を失わずに、人々と出会い、大きな夢を実現する必要がある。

 これらすべては、効率や消費主義といった偶像を前に、何かを諦めることを要求されている。ゲヘナのようなゴミ捨て場に投げ捨てられるような物事の間に自分を見失わないことが重要である。今日、ゲヘナに投げ捨てられるのは、切り捨てられ、不必要な物のように扱われた人間そのものである。大切なことに忠実であることは、犠牲を要求される。逆風の中を行ったり、皆と同じ考え方から抜け出したり、「潮流に乗る」人々からは遠ざけられるかもしれない。しかし、それは重要ではないとイエスは言われる。重要なのは、自分の人生を投げ捨てないことである。それだけを恐れなければならない。

 さあ、自問してみよう。自分は何を恐れているのか。自分の好きな物を得られないことか。世間が要求する目標に到達できないことか。あるいは他者の評価か。それとも、主のお気に召さないこと、主の福音を優先できないことを恐れているのか。

 叡智あるおとめマリアよ、わたしたちが賢明で勇気ある選択ができるようお助けください。

25 6月 2023, 18:29

お告げの祈り(アンジェルスの祈り)は、神の御子の受肉の永遠の神秘を思い起こす祈りです。この祈りは、朝の6時、正午、夕方18時頃の3回唱えられ、その時には、お告げの鐘が鳴らされます。アンジェルスの祈りと呼ばれるのは、ラテン語におけるこの祈りの冒頭の部分、– Angelus Domini nuntiavit Mariae – から採られています。この祈りは、イエス・キリストの受肉について語る3つの簡潔な本文と、3回のアヴェ・マリアの祈りからなります。お告げの祈りは、教皇によって、バチカンの聖ペトロ広場で、日曜日とカトリック典礼暦の祭日の正午に唱えられます。祈りの前に、教皇はその日の聖書朗読箇所などを観想する短い説教を行います、祈りの後には、巡礼者たちへの挨拶が続きます。
復活祭から聖霊降臨までは、お告げの祈りの代わりにアレルヤの祈りが唱えられます。これはイエス・キリストの復活を思い起こす祈りで、祈りの終わりには栄唱(グロリア)を3回唱えます。

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