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教皇フランシスコ  2023年6月29日「使徒聖ペトロ・聖パウロ」の祭日のお告げの祈り 教皇フランシスコ 2023年6月29日「使徒聖ペトロ・聖パウロ」の祭日のお告げの祈り 

教皇「聖ペトロと聖パウロの強さ・寛大さ・謙遜に倣おう」

教皇フランシスコは、「使徒聖ペトロ・聖パウロ」の祭日、6月29日(日)、バチカンで正午の祈りの集いを行われた。

 典礼暦で「使徒聖ペトロ・聖パウロ」を祝った6月29日(日)、教皇フランシスコは、午前、聖ペトロ大聖堂でミサをとり行われ、正午には、広場に集った巡礼者らとお告げの祈りを唱えられた。

 祈りの前の説教で、教皇はこの日の福音朗読(マタイ福音書16,13-19)中の、「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」というイエスのペトロに向けた言葉を観想された。

 教皇の説教の要旨は次のとおり。

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 今日、使徒聖ペトロ・聖パウロの祭日、福音の中でイエスは十二使徒の一人、ペトロに言われる。「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」(マタイ16,18)。ペトロという名前は、岩、石、また、単なる小石、といった様々な意味合いを持っている。実際、ペトロの生涯を見つめる時、そこにこれらすべての意味を見出すことができる。

 ペトロは岩である。多くの場面で、彼は強く堅固で、純粋かつ寛大な姿を見せる。ペトロは、すべてを捨ててイエスに従い(参照 ルカ5,11)、イエスを「メシア、生ける神の子」と認め(マタイ16,16)、復活したイエスに会うために急いで湖に飛び込んだ(参照 ヨハネ21,7)。また、ペトロは逮捕される前と、鞭で打たれる前に、神殿で勇気をもってイエスを告げ知らせた(参照 使徒言行録3,12-26;5,25-42)。さらに、伝承はペトロの殉教を前にした時の毅然とした態度について語っている。

 ペトロは、他の人々に支えを与える石でもあった。その石はイエスの上に据えられ、教会を築くために兄弟たちを支える役割を負った(参照 1ペトロ2,4-8;エフェソ2,19-22)。彼は兄弟アンデレと、そしてヤコブとヨハネと共にイエスの召し出しに従い(参照 マタイ4,18-22)、主に従いたいという使徒たちの意志を確認し(参照 ヨハネ6,68)、苦しむ人をいやし(参照 使徒言行録3,6)、共なる福音宣教を推進し励ました(参照 使徒言行録15,7-11)。

 しかし、ペトロは単なる小石でもあり、しばしばその小ささを表した。ペトロには、時々イエスのなさっていることが理解できなかった(参照 マルコ8,32-33;ヨハネ13,6-9)。イエスの逮捕を見て恐ろしくなり、イエスと共にいたことを否定し、その後で後悔し、激しく泣いたが(参照 ルカ22,54-62)、イエスの十字架の下に立つ勇気はなかった。彼は逮捕を恐れて、他の使徒たちと高間に閉じこもった(参照 ヨハネ20,19)。アンティオキアでは、入信した異邦人たちと共にいることをためらい、パウロから非難された(参照 ガラテヤ2,11-14)。最後に、伝承では、ペトロは殉教から逃げようとしたが、途中でイエスと出会い、道を引き返す勇気を得た。

 ペトロの中には、岩の強さ、石の信頼感、小石の小ささのすべてがある。彼は超人ではなかった。わたしたちと同じ一人の人間として、その不完全さの中で、寛大さをもって、イエスに「はい」と答えたのである。パウロや諸聖人たちの場合もそうであったように、ペトロのこのような人間性の中に、わたしたちを恵みによって強め、愛によって一致させ、いつくしみをもって赦される、神の働きを見ることができる。そして、聖霊はこのような本当の人間たちと教会を築かれる。ペトロもパウロも本物の人間であった。わたしたちは今日、まさに本物の人間たちを必要としている。

 ここで、自分たちを見つめてみよう。わたしたちにも主と福音に対する岩のような熱意と情熱を持っているだろうか。それとも、持っているのは、すぐに砕けてしまう何かだろうか。わたしたちは教会を築くための石であり、つまずきの石ではないだろうか。わたしたちは小石のような自分の小ささを知り、その弱さの中で主に信頼しているだろうか。

 使徒の女王、マリアよ、わたしたちが聖ペトロと聖パウロの強さと寛大さと謙遜に倣うことができるようお助けください。

 

 

29 6月 2023, 17:09

お告げの祈り(アンジェルスの祈り)は、神の御子の受肉の永遠の神秘を思い起こす祈りです。この祈りは、朝の6時、正午、夕方18時頃の3回唱えられ、その時には、お告げの鐘が鳴らされます。アンジェルスの祈りと呼ばれるのは、ラテン語におけるこの祈りの冒頭の部分、– Angelus Domini nuntiavit Mariae – から採られています。この祈りは、イエス・キリストの受肉について語る3つの簡潔な本文と、3回のアヴェ・マリアの祈りからなります。お告げの祈りは、教皇によって、バチカンの聖ペトロ広場で、日曜日とカトリック典礼暦の祭日の正午に唱えられます。祈りの前に、教皇はその日の聖書朗読箇所などを観想する短い説教を行います、祈りの後には、巡礼者たちへの挨拶が続きます。
復活祭から聖霊降臨までは、お告げの祈りの代わりにアレルヤの祈りが唱えられます。これはイエス・キリストの復活を思い起こす祈りで、祈りの終わりには栄唱(グロリア)を3回唱えます。

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