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教皇フランシスコによる日曜正午の祈りのために集った巡礼者たち 2023年4月23日 バチカン・聖ペトロ広場 教皇フランシスコによる日曜正午の祈りのために集った巡礼者たち 2023年4月23日 バチカン・聖ペトロ広場  (ANSA)

教皇「エマオの弟子たちのようにイエスに心を開いて語ろう」

教皇フランシスコは、4月23日(日)、バチカンで正午の祈りを行われた。

 教皇フランシスコは、4月23日(日)、レジナ・チェリの祈りをバチカンを訪れた巡礼者と共に唱えられた。

 祈りの前に、教皇はこの日の福音朗読箇所、ルカ福音書24章、復活したイエスがエマオで二人の弟子に現れたエピソード(ルカ24,13-35)を取り上げ、説教を行われた。

 教皇の説教の要旨は次のとおり。

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 復活節第三主日、福音は、エマオにおける復活したイエスと弟子たちとの出会いを語っている(参照 ルカ24,13-35)。

 イエスの十字架上での死から三日目、この二人の弟子は師イエスの最期に落胆し、エルサレムを離れ、家に帰ろうとしていた。起きた一切の出来事を論じながら悲しみのうちに歩いていると、イエスが彼らに近づき、一緒に歩き始められた。しかし、弟子たちは、この人がイエスだとは分からなかった。

 イエスはなぜ彼らがこれほど悲しそうなのかを尋ねた。すると弟子はイエスに答えて言った。「エルサレムに滞在していながら、この数日そこで起こったことを、あなただけはご存知なかったのですか」(ルカ24,18)。イエスは「どんなことですか」(同24,19)と言われた。イエスはご自分が一番よく知っていることを、あえて彼らに語らせた。それは弟子たちをからかうつもりではなく、彼らが語ることをお聞きになりたかったからである。そして、イエスは歩きながら、起きた出来事を神の御言葉の光のもとに違う方法で再読することを手伝われた。

 わたしたちにとっても、人生のストーリー、人生の一時期、ある一日などを、その失望や希望と共に、イエスと共に再読することは大切である。その上、わたしたちもこの弟子たちと同様に、ある出来事を前に意気消沈したり、多くの問いや心配と共に、孤独や不安を感じることがあるだろう。今日の福音は、恐れたり、恥じ入ることなく、すべてを率直にイエスに語るようわたしたちを招いている。

 わたしたちが主に対し自らの心を開くことを、主は喜ばれる。主に心を開いてこそ、主はわたしたちの手を取り、再び心を燃やすことができるよう(参照 同上24,32)導いてくださる。このように、わたしたちも、夜がせまってくる時、イエスがわたしたちと共に留まってくださるよう、エマオの弟子たちのようにイエスを引き止める(同24,29)必要がある。

 このような意味で、毎晩、良心の糾明のために短い時間を割くことをお勧めしたい。イエスと一緒に、その一日を再読するのである。心を開き、人々や、選択、恐れ、過ち、希望などを主の御前に差し出すことで、わたしたちの視点だけでなく、イエスの眼差しを通し、異なる見方で物事を見ることを少しずつ学ぶのである。こうして、わたしたちはあの二人の弟子の体験を再び生きることができるだろう。

 イエスの愛を前に、困難や失敗に思われることも、別の光のもとに見ることができるようになる。抱きしめることが難しい十字架、傷つけられたことに対する赦しの選択、果たせなかった雪辱、仕事の労苦、正直さゆえに払う犠牲、家庭生活の危機などが、十字架にかかり、死に、復活したイエスの光のもとに、新しい形で現れてくる。しかし、そのためには心を解き、イエスに時間と場を与えることが大切である。

 今日、今晩から、祈りの中で問うことを始めよう。自分の一日を振り返り、その中で最も貴重で感謝すべきことは何であったか、自分の行動に愛はあったか、イエスの御前に差し出すべき過ちや悲しみ、疑問や恐れは何かを自問しよう。それによって、イエスはわたしのために新しい道を開き、苦しみを和らげ、励ましを与えてくださるだろう。

 叡智あるおとめマリアよ、わたしたちと共に歩いておられるイエスを見出し、イエスの御前でわたしたちの毎日の生活を再読することを助けてください。

23 4月 2023, 19:51

レジーナ・チェリの祈りとは?

レジーナ・チェリ(アレルヤの祈り)は、4つの聖母の交唱(アンティフォナ)のうちの一つです。(この他の聖母のための交唱には、アルマ・レデンプトリス・マーテル、アヴェ・レジーナ・チェロールム、そして、サルヴェ・レジーナがあります。)

教皇ベネディクト14世は、1742年、これを復活節の間、すなわち復活の主日から聖霊降臨までの期間、お告げの祈り(アンジェルスの祈り)の代わりに、死に対する勝利のしるしとして起立して唱えるようにと定めました。

お告げの祈りと同様に、早朝、正午、夕方と、一日3回唱え、その一日を神とマリアに捧げます。

この古いアンティフォナは、伝承によれば、4世紀、または10世紀にさかのぼります。その普及については、13世紀半ばから記録され、フランシスコ会の聖務日課に挿入されたことが知られています。これは、4つの短い詩句からなり、それぞれがアレルヤで終わります。これは、信者が天の元后マリアに向けて、キリストの復活を共に喜ぶ祈りです。

教皇フランシスコは、2015年4月6日、復活祭翌日のレジーナ・チェリの祈りにおいて、この祈りを唱える際の心掛けについて語っています。

「わたしたちはマリアに向かって、お喜びくださいと言います。なぜなら聖母に宿られた方は、おことばどおりに復活されたからです。そして、わたしたちは、聖母の取り次ぎを願うのです。実際、わたしたちの喜びは、聖母の喜びを反映するものです。マリアは御子イエスの死と復活の出来事の静かな証し人です。
母の喜びを自分のものとする、子らの喜びをもって、この祈りを唱えましょう。」

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