教皇、25日にアイルランド訪問へ、「世界家庭大会」に出席
アイルランドの首都ダブリンで、8月21日から始まったカトリック教会の「第9回世界家庭大会」は、教皇フランシスコを迎えて行われる25日、26日の最終行事に向けて、次第に熱気を帯びてきた。
ローマ教皇の訪問はおよそ40年ぶり
このたびの教皇フランシスコのアイルランドへの旅は、同教皇の第24回目の海外司牧訪問(イタリアを除く)となる。
一方、アイルランドにとって、ローマ教皇の訪問は、1979年に聖ヨハネ・パウロ2世が訪れて以来、およそ40年ぶりとなる。
しかし、教皇フランシスコが訪れるアイルランドは、聖ヨハネ・パウロ2世が見たアイルランドではない。この40年間、同国におけるカトリック教会に対する人々の意識、信仰への関心は、大きく変化している。
特に、近年、同国を揺るがした教会の聖職者による未成年者虐待のスキャンダルは、教会と信者間の信頼関係を著しく傷つけた。
現在、アイルランドのカトリック教会は、信者たちの取り組みを中心に、新たな芽吹きと再構築の時を迎えている。
今回ダブリンで行われている「世界家庭大会」においても、まさに信者たちがその主役となり、
世俗化したアイルランドの社会に、信仰の素晴らしさと、そこから得られる力を、生きた証しを通して、改めて伝えようとしている。
教皇が出発前のメッセージで述べているように、「世界家庭大会」を目的としたこの訪問が、アイルランドはもとより世界中の家庭の励ましの源となり、「イエスの愛の優しさに触れる」機会となることが望まれる。
教皇のアイルランド訪問日程
8月25日(土)
教皇は、朝、ローマを特別機で出発。ダブリン到着後の午前中、大統領官邸における歓迎式と、大統領への表敬訪問が行われる。
正午頃には、教皇は、ダブリン城で、アイルランド各界要人との出会いを持たれる。
夕方、教皇は、聖マリア臨時司教座聖堂で、家族たちの代表とお会いになり、問答形式で対話される。
この後、カプチン会が運営するホームレス支援施設を私的に訪問。経済的に困窮する家族らとお会いになる。
夜、クローク・パーク競技場で、「世界家庭大会」の閉会前の前夜祭、「家庭の祝祭」をとり行われる。
8月26日(日)
午前中、教皇は、ダブリンからクノックへ移動。クノックの聖母巡礼聖堂を訪問し、現地で「お告げの祈り」を唱えられる。
正午頃、ダブリンに戻った教皇は、午後、フェニックス・パークで、ミサを捧げ、これと共に「世界家庭大会」は終了。
訪問の最後に、教皇は、聖ドミニコ女子修道会の修道院で、アイルランドの司教団と会談。
夜、ダブリン国際空港での送別式を経て、ローマに向けて発ち、同日深夜バチカンに戻られる。