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教皇、アイルランドの聖母巡礼地クノックへ

教皇フランシスコは、アイルランドの重要な聖母巡礼地、クノックを訪れ、教会関係者による虐待の被害者のため、また世界中の家族のために祈られた。

8月26日、アイルランド司牧訪問2日目の朝、教皇フランシスコは、首都ダブリンから、同国西部、メイヨー州の町、クノックに向かった。

クノックの聖母巡礼聖堂の由来

クノックはアイルランドの最も重要な聖母巡礼地として知られ、今も多くの巡礼者たちが訪れる。

クノックの巡礼聖堂の歴史は、19世紀にさかのぼる。1879年8月21日、大雨に見舞われたこの地で、6歳から75歳までの15人が、小さな教会堂の軒のコーニス(のきじゃばら)の上に、聖母の出現を見た。

その時、聖母の両脇には、聖ヨセフと、福音記者聖ヨハネが立っていた。

言い伝えによれば、最初は2人の女性がその姿を目にし、その後、他の住民たちも目撃した。人々は2時間、ロザリオの祈りを続けた。この間、3聖人は何も話すことなく、やがてその姿を消したという。

同年10月に当時のチュアム大司教が調査委員会を設立。1936年に第2の調査委員会が作られた。2つの委員会は、この出来事に立ち会った人々の証言を「信頼でき、説得力あるもの」と認めた。

クノックはこうして人々にとってかけがえのない聖母巡礼の中心地となり、

アイルランドの歴史の波を共にしてきた。

聖ヨハネ・パウロ2世は、クノックの聖母出現から100年を迎えた1979年、同地を巡礼、およそ45万人の信者らと祈りを捧げた。

教皇フランシスコのクノック巡礼

26日午前、クノックに到着した教皇フランシスコは、巡礼聖堂の「ご出現の礼拝堂」で、アイルランドはもとより、世界中の家族を聖母の保護に託して祈られた。

教皇はこの巡礼の記念として、聖母に金のロザリオを捧げられた。

続いて、教皇は聖堂前で信者たちと共に、「お告げの祈り(アンジェルスの祈り)」を唱えられた。

祈りの前の説教で、教皇は再び、アイルランドの教会関係者による虐待の被害者らを心に留められた。

虐待を受け、無垢な子ども時代を奪われ、苦しい記憶を背負い続ける人々を教皇は思い、この傷を前に、真理と正義の追求を決然と行わなければならないと述べた。

教皇は、多くの神の家族が気づいたこの罪と裏切りに対し、神に赦しを乞い、虐待の被害者のために、聖母の取り次ぎを祈られた。

また、教皇はこの機会に、北アイルランドの人々にも挨拶をおくり、ご自身の祈りを約束すると共に、人々が忍耐強く和解の業を続けることができるよう聖母に祈られた。

          

26 8月 2018, 14:33