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新しく枢機卿に指名された、教皇庁東方教会省長官クラウディオ・グジェロッティ大司教 新しく枢機卿に指名された、教皇庁東方教会省長官クラウディオ・グジェロッティ大司教 

枢機卿指名のグジェロッティ東方教会省長官・インタビュー

教皇フランシスコよりこのたび枢機卿に指名された教皇庁東方教会省長官クラウディオ・グジェロッティ大司教が、バチカン・ニュースのインタビューに答えた。

 教皇フランシスコは、先日7月9日(日)、新枢機卿の叙任式のための枢機卿会議を9月30日に召集すると共に、新たに枢機卿に指名した21人の名前を発表した。

 枢機卿に指名された21名の一人、教皇庁東方教会省長官クラウディオ・グジェロッティ大司教は、このたびバチカン・ニュースのアントネッラ・パレルモ記者のインタビューに答えた。そのインタビューから、一部を紹介する。

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 枢機卿への指名は、(教皇大使の任務から、2023年に)東方教会省長官としてバチカンに戻ってから間もないことでしたが、それをどのように感じられましたか。

 指名の知らせは思いがけない形で届きました。教皇のお告げの祈りを聞いていなかったのですが、しばらくして電話が次々に鳴り出し、その理由がわかりませんでした。皆がおめでとうと口々に言うので、自分の霊名日(洗礼名の聖人の記念日)をうっかり忘れていたのかと思いました。それから、ようやくわかったのです。

 この指名を非常に意味あることとして、しかし、大変重大なこととして受け取りました。なぜなら、枢機卿の緋色は、栄光の緋色ではなく、血の緋色だからです。わたしは教皇大使のミッションの中で、血をたくさん見ました。多くの人がキリストへの献げ物を自らの血で払いました。人々を巻き込んだ暴力もまた同じように流血をもたらしました。そして、今わたしは、神から命じられるよりも先に、教皇から、必要ならば命を捧げるまでに教会と教皇に忠実であることができるか、と尋ねられているのです。

 いまだ暴力に苦しむ東方の教会の現実を考える時、あなたの枢機卿への指名は、ある意味で、(エルサレム・ラテン典礼総大司教の)ピッツァバッラ総大司教と一組になっているようにも見えます。

 実際、わたしもエルサレム・ラテン典礼総大司教のおっしゃる言葉に同感しています。また、東方教会省の管轄は、中東だけではありません。エチオピア、エリトリア、ウクライナをも含んでいます。そのすべての地域、あるいはほとんどすべての地域は、今この時も流血の事態を抱えています。東方のキリスト教世界が、殉教に至るまでのキリストへの忠実の水源地であり続けてきたことは偶然ではありません。偉大なる東方の教会がかつてどのようなものであったか、そしてそれが今わずかな信者たちに減ってしまったことを考えてみましょう。人間や文化の暴力が彼らをほとんど消滅させようとしています。いずれにせよ、東方の教会の殉教の証しとの深い結びつきは、ほとんどそのDNAの中にあったと言えるものです。

 さらに別の点から言えば、東方の多くの教会はパレスチナにとても近い環境から生まれています。わたしたちが共に信じる対象は、わたしたちのためにご自身の血を流された方、主であり師であるお方、イエス・キリストです。わたしたちは、他の多くの宗教と異なり、創始者の血から生まれた宗教を代表しています。そのため、キリスト教は信仰の対象である方がたどった極度に残酷な運命ゆえに、帝国の宗教や他の一神教において大きな驚きをもたらしました。わたしたちはある国家を作り上げた勝利に満ちた預言者を持っているわけではありません。わたしたちは地上の都を持たない民です。わたしたちは、歴史の中を歩まれ天上のエルサレムまで行かれた方に従う者たちなのです。

 教皇フランシスコは、聖年を前に、新しい殉教者たちのための委員会を立ち上げられましたが、この設立を特別な賛同をもって受け取られましたか。

 もちろんです。これは当時教会に大きなニュースをもたらしたヨハネ・パウロ2世の一つの直感を受け継いでいくものです。そして、今、それはさらにラディカルに、殉教による交わり、一致へとわたしたちを導こうとしています。殉教による交わり、それはまさに神の中に隠された神秘です。なぜなら、それは諸教会間や宗教間のあらゆる限界や壁を乗り越えていくものだからです。今回の場合、それは特にキリスト教間のものです。その一致はすでに血において実現しています。この委員会の設立は、わたしに大きな感動と霊感を与えました。この委員会のために働くように命じられるならば、すべての心を込めて協力させていただきたいと思います。

12 7月 2023, 16:53