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未成年者の保護をテーマとした司教会合 2019年2月23日、バチカン、シノドス・ホール 未成年者の保護をテーマとした司教会合 2019年2月23日、バチカン、シノドス・ホール 

未成年者の保護:司教会合3日目、「透明性」テーマに

バチカンで「教会における未成年者の保護」をめぐり、司教らによる3日目の討議が行われた。

全世界の司教協議会会長を集め、バチカンで開かれている「教会における未成年者の保護」をテーマとする会合は、2月23日、3日目に入った。

この日の討議も、前日のように、祈りと聖書朗読、そして虐待被害者の苦しみに耳を傾けることから始められた。

聖書朗読では、使徒聖パウロがエフェソの信徒たちに、「光の子として歩む」ように招く部分(エフェソ5, 1-11)が次のように読まれた。

「あなたがたは神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい。…あなたがたは、以前には暗闇でしたが、今は主に結ばれて、光となっています。光の子として歩みなさい。光から、あらゆる善意と正義と真実とが生じるのです。何が主に喜ばれるかを吟味しなさい。実を結ばない暗闇の業に加わらないで、むしろ、それを明るみに出しなさい」

続いて、司教らは虐待被害者の心の叫びを書簡を通して聴いた。

「わたしは自分を城門の前の物乞いのように感じました。わたしは真実と正義と光を乞いましたが、得られたものは、沈黙とそこから引き出されたわずかな情報だけでした。わたしは疲れ、力を使い果たしました。彼らは自分たちの壁、プライド、わたしの知らざる役割の裏側に身を隠したかのようでした。わたしは苦しんでいます。なぜならわたしは搾取されたからです。彼らが真実を言わないからです。彼らは真理と光のために働く人であるはずなのに、闇の中に隠れたからです。」

この日の午前には、ナイジェリア出身で、聖なる幼きイエス会の総長である、Sr.ベロニカ・オペニボと、ドイツのミュンヘン=フライジング大司教のラインハルト・マルクス枢機卿が発表を行った。

Sr.オペニボは、嵐が過ぎ去るまで沈黙しようとしても、その嵐は過ぎ去ることはないだろうと述べ、教会への信頼を揺るがすこの問題において、「秘密」「沈黙」「かばい合い」という3つの態度を避けなければならない、と話した。

マルクス枢機卿は「信者の共同体としての透明性」をテーマに、虐待問題に対する教会の管理の在り方を問いただした。同枢機卿は、虐待事件をめぐる資料が廃棄される、あるいは作成さえされない、告訴をめぐる手順が尊重されないなど、被害者の権利が侵害される状況があったことを指摘。よく機能する教会の管理体制は、虐待との闘いにおける基本である、と訴えた。

午後からは、メキシコ出身のジャーナリスト、バレンティナ・アラスラキ氏の発表が行われたほか、夕方、バチカン宮殿内でゆるしの秘跡がとり行われた。

23 2月 2019, 19:16