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教皇フランシスコ、バチカン天文台主催の会議参加者と 2024年6月20日 バチカン宮殿 教皇フランシスコ、バチカン天文台主催の会議参加者と 2024年6月20日 バチカン宮殿  (Vatican Media)

「信仰と科学は愛の中で一致する」教皇、バチカン天文台の会議参加者に

教皇フランシスコは、バチカン天文台が主催した会議の参加者とお会いになった。

 教皇フランシスコは、6月20日、バチカン天文台が主催した会議の参加者とお会いになった。

 この会議は、「ブラックホール、重力波、時空特異点」をタイトルに、天文学者、宇宙物理学者であったベルギー人の司祭、ジョルジュ・ルメートル神父(1894-1966)の功績を振り返るもの。バチカン天文台主催のルメートル神父をテーマとした会議は、7年前に続き、今回が2度目となる。

 教皇は会議参加者への挨拶で、近年のルメートル神父の功績への認知の高まりを示すものとして、国際天文学連合総会が、ハッブルの法則を、ハッブル=ルメートルの法則と呼ぶことを推奨する旨を決議したことを思い起こした。

 教会が天文学などの学術研究に注目し、それを推進するのは、こうした研究が今日の人々の感受性や知性を刺激するためであり、宇宙の始まりやその進化が、自分を見失いそうな広大な光景の中で、人間を意味の追求に向き合わせるからである、と教皇は話した。

 ジョルジュ・ルメートル神父は、模範的な司祭であり、また科学者であったと述べた教皇は、同神父の人間的・霊的歩みは、人生のモデルとして、わたしたち皆が学ぶべきものである、と話された。

 教皇は、ルメートル神父の司祭と科学者という二つの召命を見つめつつ、同神父にとって科学と信仰は並行した歩みであり、二つの間に葛藤はなく、むしろどちらも神の絶対の真理という原型を持つがゆえに、互いを調和させるものであった、と語った。

 ルメートル神父の信仰は、創造とビッグバンを二つの別の現実として捉えることに導き、同神父が、神は人間の理性では簡単にカテゴリー化できない存在であり、それは常に神秘の中に留まる完全には理解しがたい「隠れた神」であると考えていたことを教皇は振り返った。

 科学が今日の人々に奉仕するならば、そして、人々に害や破壊をもたらさないならば、信仰と科学は愛(カリタス )の中で一致できると、教皇は述べ、人間の知識の辺境へと向かい、そこで人の心の渇きを満たす神の愛を体験できるようにと、研究者らを励まされた。

20 6月 2024, 19:56