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教皇フランシスコ、2024年度「四旬節」に向けメッセージ 教皇フランシスコ、2024年度「四旬節」に向けメッセージ 

「荒れ野を通して民を自由へ導かれる神」四旬節に教皇メッセージ

教皇フランシスコは、2024年度の「四旬節」に向けメッセージを発表された。

 教皇フランシスコは、「四旬節メッセージ」を発表された。

 カトリック教会の典礼暦は、2月14日の「灰の水曜日」より、復活祭の準備期間、「四旬節」を迎える。 

 2024年度の四旬節に向け、教皇は「荒れ野を通して神はわたしたちを自由へ導かれる(仮訳)」というタイトルのメッセージを発表された。

 「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である」(出エジプト20,2)。

 四旬節メッセージで教皇は、神がシナイ山に登ったモーセに十戒を授けた時に言われたこの言葉を思い起こされた。

 この時、神の民にとってエジプトでの隷属の記憶はまだ生々しく刻まれていた。神は彼らに十戒を与えることで、ご自分の愛を強調されると共に、民を教育された、と教皇は述べている。

 「四旬節は恵みの時」と教皇は強調しつつ、「四旬節には、預言者ホセアが言うように(参照 ホセア2,16-17)、荒れ野は最初の愛の場所に戻る。神は、ご自身の民に、奴隷の状態から脱し、死からいのちへと移ることができるよう教えられる」と記された。

 「隷属から自由への脱出は、抽象的な歩みではない。わたしたちの四旬節が具体的であるためには、現実を見ようとすることが最初の一歩である」と教皇は言う。

 「わたしは、エジプトにいるわたしの民の苦しみをつぶさに見、追い使う者のゆえに叫ぶ彼らの叫び声を聞き、その痛みを知った。それゆえ、わたしは降って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地へ、彼らを導き上る」(参照 出エジプト記3,7-8)。

 神がこのように燃える柴の間からモーセに話されたように、今日も虐げられた多くの兄弟姉妹の叫びが天に届いている、と述べた教皇は、その声がわたしたちのもとにも届いているか、その声が心を揺さぶっているかを自問するように勧められた。

 「今日もわたしたちはファラオの支配下にいる。その支配はわたしたちを疲弊させ、無感覚にさせる。それは人を分裂させ、未来を奪う成長モデルである。大地と空気と水は汚され、魂までもが汚染される」と教皇は警告する。

 その一方で、教皇は「わたしたちの解放が洗礼と共に始まったにも関わらず、わたしたちの中には、奴隷だった時への説明しがたい郷愁がある」と指摘。「それは自由を犠牲にしてまでも、すでに体験したことの確かさの方に惹かれるようなものである」と記している。

 エジプトへの郷愁が、荒れ野の中でイスラエルの民の歩みを妨げたように、わたしたちの解放の旅も中断しかねない、と教皇は注意を喚起。さもなくば、普遍的兄弟愛と、すべての人の尊厳を保証できるレベルの科学的・技術的・文化的・法的な発展に近づいた人類が、不平等と紛争の闇の中で未だ迷っていることは説明しきれない、と論じている。

 「神はわたしたちをあきらめない」と述べた教皇は、神のみことばに改めて耳を傾けながら、この四旬節を「回心の時、自由の時」とするよう招かれた。

 「ファラオと違い、神が望まれるのは、隷属する民ではなく、子たちである」と教皇は記し、「荒れ野は、二度と奴隷状態に陥らないように、わたしたちの自由を成熟させる場なのである」と説いている。

 「この四旬節が回心の時であるならば、道に迷った人類は、創造性のおののき、新しい希望の光のひらめきを感じるだろう」と教皇は述べながら、「回心の勇気、隷属から抜け出す勇気」を持つよう、信者たちに呼びかけられた。

01 2月 2024, 18:44