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教皇、スペイン広場で無原罪の聖マリアに捧げる祈り

無原罪の聖マリアの祭日、教皇フランシスコは聖マリア大聖堂を訪問、続いてスペイン広場の聖母のモニュメントの前で祈りを捧げられた。

 カトリック教会の典礼暦で「無原罪の聖マリア」の祭日を迎えた12月8日、教皇フランシスコは聖母への崇敬を表すため、聖マリア大聖堂の「サルス・ポプリ・ロマーニ」の祭壇を訪問、続いてスペイン広場の聖母のモニュメントの前で献花と祈りを行われた。

 「無原罪の聖マリア」の祭日、教会は、聖母マリアが「その母の体内にやどった瞬間において、全能の神の特別な恩恵と特典により、人類の救い主キリストの功績を考慮に入れ、原罪のすべての汚れからあらかじめ守られた」ことを祝う。 

 この祭日、教皇は「お告げの祈り」を広場の巡礼者と共に唱えられた。このところ、教皇は呼吸器の炎症のため、住まいのサンタ・マルタ館から中継でお告げの祈りを行なっていたが、この日は従来のようにバチカン宮殿の窓辺に姿を見せられ、説教と祈りを行われた。

 夕方より、教皇はローマ市内の聖マリア大聖堂(サンタ・マリア・マッジョーレ)を訪問した。

 先週、健康上の理由でドバイ訪問をやむなく中止した教皇であるが、ようやく外出できるまでに体調は回復した。

 今年、教皇はこの「無原罪の聖マリア」の祭日を機会に、聖マリア大聖堂に古くから保管される聖母子を描いたイコン「サルス・ポプリ・ロマーニ(ローマ人の救い)」の前に金の薔薇を捧げられた。

 「サルス・ポプリ・ロマーニ」にローマ教皇が金の薔薇をオマージュとして贈る行為は、このたび教皇フランシスコによっておよそ400年ぶりに行われた。

 最初に行われたオマージュは、1551年、教皇ユリウス3世によるもので、その後、パウルス5世(カミッロ・ボルゲーゼ)が聖マリア大聖堂内にパオリーナ礼拝堂(またはボルゲーゼ礼拝堂とも呼ばれる)を建設し、1613年、「サルス・ポプリ・ロマーニ」を同礼拝堂に安置した際にも金の薔薇を贈っている。

 この夕方、聖マリア大聖堂を訪れた教皇は、金の薔薇が置かれた「サルス・ポプリ・ロマーニ」の祭壇で祈りの時を持たれた。

 続いて、教皇はローマの繁華街、スペイン広場へと向かわれた。そして、隣接のミニャネッリ広場に高くそびえる「無原罪の聖マリア」のモニュメントの前で献花を行われた。

 無原罪の聖母への祈りの中で教皇は、「不正義や、貧困、戦争に押しつぶされたすべての人々にいつくしみの眼差しを向けてください」と願い、特に苦しみに引き裂かれたウクライナと、暴力の連鎖に再び陥ったパレスチナ、イスラエルの人々のために嘆願した。

 そして、戦争やテロで子を失った母たち、絶望的とも言える希望に賭けて旅に出る子を見送る母たち、薬物依存や長く辛い病気に苦しむ子を見守る母たちを、自ら深い苦しみを体験された聖母に託された。

 「赦しのないところに平和はない。悔い改めのないところに赦しはない」と述べた教皇は、聖母に「回心の道をわたしたちに示してください」と願い求められた。

08 12月 2023, 19:05