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教皇フランシスコが「プレゼピオ」について語る本、『わたしのプレゼピオ』 教皇フランシスコが「プレゼピオ」について語る本、『わたしのプレゼピオ』 

教皇フランシスコ、プレゼピオについて語る本

教皇フランシスコの「プレゼピオ」をめぐる考察、講話、説教などをまとめ、教皇自身が序文を添えた本がこのたび発行された。

 教皇フランシスコの「プレゼピオ」をめぐる考察、講話、説教などを一冊にまとめた本、『わたしのプレゼピオ‐イエスの降誕の登場人物を語ろう(仮訳)』が、出版社Piemmeとバチカン出版局から共同発行された。

 「プレゼピオ」は、イエスの降誕の場面を再現した馬小屋の模型で、クリスマスツリーと同様、待降節から降誕節まで、教会や、家庭、学校、職場、また町の広場などを飾り、人々の心に主の降誕の物語とその意味を呼び覚ますシンボルの役割を果たしている。

 教皇フランシスコは、2019年12月、プレゼピオの意味と価値をめぐる使徒的書簡『アドミラビレ・シニュム』を発表され、プレゼピオの準備、そしてそれを飾る行為を、福音宣教を助け、豊かな精神性を受け継がせる素晴らしい伝統として示された。

 教皇はこのたび『わたしのプレゼピオ』の出版にあたり、同書に自ら序文を添えられた。

 この中で教皇は、プレゼピオ発祥の地、イタリア中部グレッチョを2度にわたり訪れた時のことを思い起こされている。

 そして、グレッチョにおいてアッシジの聖フランシスコがプレゼピオを発案・実現したことが、イエス・キリストの受肉の神秘の驚きとその観想を深めるために、いかに大きな意味を持つことになったかを語っている。

 「小ささは神と出会うための道である」と説く教皇は、プレゼピオは小さきものの中に表される神の現存に浸ることを可能にすることから、プレゼピオの精神を守ることは大切である、と述べている。

 プレゼピオを前にして、子どもも大人も、驚きと不思議さに胸を打たれる。それはまるで聖書からあふれ出た生きた福音のようである、と教皇は記しつつ、プレゼピオの設置で大切なのは、毎年趣向を変えるかどうかではなく、それがいのちを物語っているかである、と強調している。

 アッシジの聖フランシスコの伝記作家、トンマーゾ・ダ・チェラーノは、聖フランシスコがグレッチョに着いて、藁の入った飼い葉おけと牛とロバを見つけたのは、1223年の降誕祭のことだったと記している。教皇は今年はそれから800年を迎えることに言及された。

 当時、グレッチョには一切の彫像はなかった。プレゼピオはそこにいた人々によって実現され、また体験された。やがて、福音宣教のための大いなる行為となった、その最初のプレゼピオが、今日においても驚きと不思議さを呼び覚ますきっかけとなることを教皇は願われた。

21 11月 2023, 13:41