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教皇フランシスコ「貧しい人々のための世界祈願日」のミサで 2023年11月19日 教皇フランシスコ「貧しい人々のための世界祈願日」のミサで 2023年11月19日  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

貧しい人々のための世界祈願日:教皇「自分を他者への贈り物に」

カトリック教会の「第7回貧しい人々のための世界祈願日」、教皇フランシスコはバチカンでミサをとり行われた。

 11月19日(日)、カトリック教会の「第7回貧しい人々のための世界祈願日」が記念された。

 今年の同祈願日のテーマには、トビト記から「どんな貧しい人にも顔を背けてはならない」(4,7)が選ばれている。

 同日朝、教皇フランシスコはバチカンの聖ペトロ大聖堂で、貧しい人々やボランティアの人たちと共に、この祈願日のためにミサをとり行われた。

 教皇はミサの説教で、福音朗読箇所「タラントン」のたとえ(マタイ25,14-30)を通して、イエスがご自身の「旅」の前にわたしたちに預けられたものは何か、そして、それを受け取ったキリスト者はいかに自分の「旅」を歩むべきかを考えられた。

 「ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた」(マタイ 25,14)。教皇は、この主人が旅立とうとしている「旅行」は、御父のもとから人類のために地上に遣わされたキリストご自身が、死に、復活した後、地上での使命を果たし、昇天し、御父のもとに戻る、その「帰路」の旅を思わせるもの、と指摘。

 そして、イエスは旅立つ前に、わたしたちに真の財産を、すなわち聖体におけるご自身、いのちの御言葉、わたしたちの母となられた聖母、さらに聖霊の賜物を遺され、わたしたちがこの世でイエスの業を続けていくことができるようにされた、と話した。

 また、福音書に「それぞれの力に応じて…預けた」(同上25,15)とあるように、イエスは、これらの「タラントン」を、日常生活や社会や教会におけるわたしたちの固有の使命に応じて分配し、それぞれに預けられた、と述べた。

 「かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた」(同上25,19)とたとえが語るごとく、イエスの最初の旅に続くもう一つの旅が行われる時、すなわちイエスが時の終わりに栄光のうちに再び戻って来られる時、わたしたちとお会いになり、「清算」を求められるだろう。その時、わたしたちは、どのようにして主の御前に出るのかを考えなければならない、と教皇は説いた。

 こうして教皇は、わたしたちはいかなる「旅」を歩むべきか、イエスがなさったように自らを与える道を行くのか、それともエゴイズムの道を行くのか、また、主から与えられた大きな財産、主ご自身の愛を、この長い人生の旅の中でどのようにすべきなのか、それを受け入れ、育て、他者に分け与えるのか、それとも恐れのためにこの宝を土の中に埋めてしまうのかを、考えるよう招かれた。

 「貧しい人々のための世界祈願日」にあたり、教皇はこの「タラントン」のたとえを通して、この人生の旅をどのような精神で生きるべきかを問うように勧めつつ、主から愛をいただいたわたしたちは、自分自身が他者のための贈り物となるように召されている、と呼びかけられた。

20 11月 2023, 10:12