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ガザ地区北部へのイスラエル軍の攻撃 2023年10月14日 ガザ地区北部へのイスラエル軍の攻撃 2023年10月14日  (AFP or licensors)

教皇、子どもの保護願う、ガザの小教区主任司祭への電話で

パレスチナのガザ地区北部から南部に避難するようにとイスラエル軍が住民に指示した24時間が経過した。教皇フランシスコは、ガザの小教区の主任司祭に4度目の電話をし、ご自身の憂慮と寄り添い、そして祈りを伝えた。

 パレスチナのガザ地区にある唯一の小教区の主任司祭、ガブリエル・ロマネッリ神父は、同地区の北部から南部に避難するようにとイスラエル軍が住民に指示してから期限の24時間が経過した10月14日朝、教皇フランシスコから4度目の電話を受け取った。

 ロマネッリ神父は、ハマスのイスラエルに対するテロ攻撃が起きた時、用事でベツレヘムにいたために、その後のイスラエル軍による反撃とガザ地区の封鎖のため、小教区に戻れない状態が続いている。

 ロマネッリ神父がバチカン・ニュースに語ったところによれば、教皇は同神父への4度目の電話で、ガザ地区の状況にご自身の深い心配を表明。祈りを約束されると共に、全教会の寄り添いを伝えられた。

 また、教皇はガザの小教区の教会にキリスト教徒の子どもとイスラム教徒の子ども、またマザー・テレサが創立した修道会、神の愛の宣教者会のシスターたちが世話する障害児と負傷した子どもたちが避難していることを知っておられ、これらの子どもたちを守って欲しいと願われた。

 また、教皇は小教区にも電話し、「その祝福と祈りとできる限りの配慮をもって、希望の小さな窓を開けてくれた」とロマネッリ神父は話した。

 同神父によれば、ガザにあるカトリック教会系の5つの施設は、現在数百人の避難民を受け入れており、小教区の中だけでも、今その数はおよそ5百人に及ぶ。ギリシャ正教会の2つの施設も避難民でいっぱいだという。

 ロマネッリ神父は、「人々は、南部といってもどこへ行けば良いのか、そこでどうなるのだろうか、と自問している。南に向かっていた人たちが攻撃を受けたとのニュースも入ってくる。避難民の中には、車を持っている人もいれば、何も持っていない人もいる。大きな恐怖を抱いている彼らは、少なくとも教会の中はもう少し安全だと感じている。しかし、皆にとって絶望的な状況だ」と語った。

 ガザのカトリック教会系の施設はすべて、避難通告を受けた北部の地域に集中しており、南部には一つの施設もない。

 ロマネッリ神父は、「人々は小教区から離れずそこに集まっている。そこが彼らの生活の人間的、精神的よりどころだからだ」と話した。

 

14 10月 2023, 18:46