教皇、ベトナムのカトリック共同体に書簡

　教皇フランシスコは、ベトナムのカトリック共同体に宛てた書簡を発表された。

　この書簡は、今年7月27日、教皇庁とベトナム社会主義共和国が在ベトナム教皇庁代表とその駐在事務所をめぐる規約に合意したことを機会に記された。

　同書簡で教皇は、教皇庁とベトナムの間に近年育まれてきた良好な関係を振り返りつつ、ベトナムにおける教皇庁代表の存在が、両国の相互関係をいっそう発展させるための橋となることを願われた。

　教皇は、教皇庁使節の定期的な訪問や両国の関係者の共同作業によりもたらされた信頼関係の構築が、相互の違いの尊重と、傾聴を通して、ベトナム国民と教会のための最善を追求する歩みを可能にしたと指摘。

　「皆さんは教会の子であると同時に、ベトナムの国民です」と述べた教皇は、2009年、ベネディクト16世がベトナムの司教団に向けた、「教会はそのすべての成員を、正義と連帯ある平等な社会の構築に誠実に取り組むように招きます。それは、政府の責任者たちの代わりになることを決して意味しません。それは、ただ社会の正当な一員として、対話の精神と尊重ある協力を通して、国民生活とすべての人々のための奉仕への参与を望むことです」という言葉を改めて示された。

　教皇は、ベトナムの信者たちに対し、生活上の必要に常によりよい形で応え、社会生活のあらゆる側面で共通善の構築に参与し、「世の光、地の塩」になるようにと招くイエスの教えを実現して欲しい、と希望された。