「人々に勇気と寄り添い伝えよう」教皇、バチカン薬局関係者に
教皇フランシスコは、間もなく創設150周年を迎えるバチカン薬局の関係者らとお会いになった。
教皇フランシスコは、9月18日、バチカン薬局の関係者との集いを持たれた。
バチカン市国内にある「バチカン薬局(Farmacia Vaticana)」は、間もなくその創設から150周年を迎える。
バチカン薬局は、カマルドリ会士出身で、修道院付属の薬局の重要性を知っていた教皇グレゴリウス16世(在位:1831‐1846)が開設を発案、後任の福者ピオ9世(在位:1846‐1878)が聖ヨハネ・ア・デオ創立の聖ヨハネ病院修道会にそれを実現する使命を託した。
1874年、ローマのティベリーナ島にある聖ヨハネ病院修道会の病院「ファーテベーネフラテッリ病院」の院長エウセビオ・フロンメル修道士がバチカンに派遣され、教皇や枢機卿らの薬を管理したことが、バチカン薬局の始まりとなった。
現在では、バチカン薬局はバチカン職員はもとより、処方箋を携える他の市民にも開かれている。
教皇は、同薬局関係者の、単なる薬の取り扱いにとどまらない、病者や弱い立場の人々への配慮とプロフェッショナル性あふれる奉仕に、感謝の言葉を述べられた。
あわただしいリズムの中にある今日の社会で、高齢者をはじめ、多くの人々は、薬だけでなく、関心や微笑み、慰めの言葉を求めている、と教皇は指摘。
薬剤師の仕事は、これらの人々に勇気と寄り添いを伝えるために差し伸ばされた「手」となること、と話しながら、「皆さんの仕事は職業ではなく、ミッションです」と、教皇は関係者らを励まされた。
18 9月 2023, 18:10