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イタリア・リミニで開催される「市民間の友情のためのミーティング」(写真:2021年度のミーティング会場) イタリア・リミニで開催される「市民間の友情のためのミーティング」(写真:2021年度のミーティング会場) 

教皇「戦争と分裂がある今日、出会いの文化の推進を」

教皇フランシスコは、イタリアのリミニで開催される、2023年度「市民間の友情のためのミーティング」にメッセージを寄せられた。

 教皇フランシスコは、イタリアのリミニで開催される交流イベント、2023年度「市民間の友情のためのミーティング」(8月20日‐25日)にメッセージを寄せ、戦争と分裂があるこの時代に、開かれた出会いの文化を推進してほしい、と関係者に励ましをおくられた。

 「ミーティング・リミニ」という名前で知られるこの催しは、1980年、カトリック運動「コムニオーネ・エ・リベラツィオーネ」の関係者によって始められた。

 国や、宗教、伝統・文化、分野を超えた人々との出会いと対話を通し、友情と連帯を育むことを目的とするこのミーティングは、カトリック教会系の行事の枠を超えた文化イベントとしてイタリア国内で広く認識されている。

 同ミーティングでは、開催期間の連日、時事に沿ったテーマはもとより、政治・経済・社会・自然・科学・テクノロジー・宗教・文化・芸術に至るまでの様々な視点のもと、専門家やゲストを招いて講演やディスカッションが行われる。

 教皇は、同ミーティングの開催を前に、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿を通し、リミニ教区司教、ニコロ・アンセルミ師に宛てメッセージをおくられた。

 その中で教皇は、今年も「市民間の友情のためのミーティング」が開かれる一方で、戦争と分裂が人々の心に恨みや恐れの種をまき、自分と異なる他者はしばしば敵と認知されている、と述べている。

 こうした状況において、今回のミーティングの「人間の存在、尽きることのない友情」というテーマを、教皇は個人主義と無関心の時代に抗う勇気あるものと評価された。

 この状況から人類が自分の力だけで抜け出すことは不可能であり、誰しも自分を一人で救うことはできない、と教皇は述べ、そのために、神は歴史上の正確なある時点で御子を遣わされ、御子を与え、分かち合うことで、兄弟愛の歩み、恵みの歩みを学ばせようとされた、と指摘。

 イエスご自身が「もはや、わたしはあなたがたを僕(しもべ)とは呼ばない。わたしはあなたがたを友と呼ぶ」(参照 ヨハネ15-15)と言われたように、復活されたキリストの霊は人間の孤独を破り、ご自身の友情を純粋な恵みとして与えられた、と教皇は説いている。

 「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ15,13)。教皇はイエスが定めたこの友情の掟を改めて示しつつ、世界中から神に向けて上がる叫びに決して耳を閉ざすことがないようにと、すべてのキリスト者と善意の人々に呼びかけられた。

18 8月 2023, 13:42