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写真:福者プリージ神父殉教25年のミサ  2018年9月15日 教皇フランシスコのシチリア訪問時 写真:福者プリージ神父殉教25年のミサ 2018年9月15日 教皇フランシスコのシチリア訪問時 

福者プリージ神父の殉教から30年、教皇の書簡

教皇フランシスコは、マフィアに殺害されたイタリア人司祭、福者ピーノ・プリージ神父の殉教から30年を機会に、パレルモ大司教に書簡を送られた。

 イタリア南部パレルモで司牧していたピーノ・プリージ神父が、1993年9月15日、マフィアによって殺害されてから、今年で30年を迎える。

 福者ピーノ(ジュゼッペ)・プリージ神父は、イタリア南部シチリア州パレルモの生まれ。教区司祭としてパレルモ郊外の小教区で司牧し、マフィアの闘争下で福音に基づく和解と赦しを説き、若者たちや子どもたちをマフィアの影響から救い出す努力をした。56歳の誕生日の夜、自宅前でピストルで撃たれ殉教した。

 教皇フランシスコはプリージ神父の殉教から30年を機会に、パレルモ大司教に宛て書簡を送られた。

 この中で教皇は、善良な司祭、神のいつくしみの証し人であったプリージ神父が、「平和のために働く者」となろうと自ら決意したその場所で、30年前、悲劇的な死を遂げたことを思い起こした。

 そして、教皇は、「荒地」のような場所、「良い麦と毒麦」が共に育つ場所に、救いの御言葉の種をまき、愛と赦しを告げた同神父の生涯を回想。

 柔和で謙遜な牧者、子どもたちや弱い立場の人を守り、子どもたちに自由と命への愛と尊重を教えたドン・ピーノ(ピーノ神父)は、イエスに従い、愛においてどこまでも突き進み、最後には十字架を抱いて、愛のために自らを与えることになった、と振り返った。

 教皇はこのように福者プリージ神父の霊性を示しながら、多くの人間的・社会的傷を前にして留まることなく、いやしを求める人々になぐさめと憐れみの聖油を欠かすことがないようにと司牧者らを励まされた。

21 8月 2023, 17:57