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教皇フランシスコ 2023年5月7日のレジナ・チェリの祈り 教皇フランシスコ 2023年5月7日のレジナ・チェリの祈り 

「道であるイエスに従おう」教皇、日曜正午の集い

教皇フランシスコは、5月7日(日)、バチカンで正午の祈りの集いを持たれた。

 教皇フランシスコは、5月7日(日)、バチカンでレジナ・チェリの祈りを巡礼者と共に唱えられた。

 復活節第5主日、教皇はこの集いで、同日の福音朗読箇所、ヨハネ福音書14章、イエスが「わたしは道であり、真理であり、命である」と弟子たちに説く場面(ヨハネ14,1-12)を取り上げ、説教を行われた。 

 教皇の説教の要旨は次のとおり。

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 今日の福音は、イエスの死を前にした説教の一部である(参照 ヨハネ14,1-12)。弟子たちが不安にとらわれる中、イエスは彼らに「心を騒がせるな」と招かれる。事実、イエスは弟子たちを置き去りにしようとするのではなく、彼らのために「場所を用意しに」行き、そこに向けて彼らを導こうとされている。主はわたしたちに皆に、素晴らしい場所を行先として示すと同時に、どのようにしてそこに行けるのか、その道をも示される。すなわち、わたしたちに「どこへ」、「どのように」行くべきかを教えている。

 まず「どこへ」行くかをイエスは示される。イエスは、弟子たちが置いていかれることに動揺と恐れを抱いているのをご覧になった。それはわたしたちが愛する誰かと別れなくてはならない時と同じである。そこでイエスは言われた。「あなたがたのために場所を用意しに行く[…]、こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる」(ヨハネ14,2-3)。

 イエスはここで家という家族的なイメージを用いている。家とは絆と親密さを象徴する場所である。イエスはご自分の友に言われたように、わたしたち一人ひとりに、「わたしの父の家にはあなたの場所がある。あなたは歓迎され、永遠に温かい抱擁で迎えられる。だからわたしはあなたのためにその場所を用意しに行く」と言われる。

 この言葉はわたしたちにとって慰めと希望の源である。イエスはわたしたちと離れたのではなく、わたしたちの最終目的地である、神なる御父との出会いに向けて、前もって道を開いてくださった。そこには、わたしたち一人ひとりのための場所が用意されている。

 わたしたちが疲れたり、道に迷ったり、挫折した時、わたしたちの人生が向かう先を思い出そう。目的地を見失わないように、究極の問いを忘れないようにしよう。わたしたちはどこに行くのか。どこに向かって歩むのか。何に対して生きる価値があるのか。これらの問いがなくては、人生は現在に押しつぶされ、目的もない、その日暮らしになってしまう。それに対して、「わたしたちの本国は天にある」(参照 フィリピ3,20)。この目的地の偉大さと美しさを忘れてはならない。

 目的地を発見したならば、わたしたちも、今日の福音の使徒トマスのように、「どうして、その道を知ることができるでしょうか」と尋ねてみよう。そして、イエスの答えに耳を傾けよう。イエスは言われる。「わたしは道であり、真理であり、命である」(ヨハネ14,6)。

 イエスご自身が、真理のうちに生き、豊かに命を得るための道である。イエスは道であり、イエスにおける信仰とは、信じるべき事項の一まとめではなく、たどるべき道、完成させるべき旅、イエスとの歩みである。それは、朽ちることのない幸福に導く道、イエスに従うことである。またそれは、イエスに倣うこと、特に他者への寄り添いといつくしみに倣うことでもある。天に達するための羅針盤、それは地上におけるイエスの愛のしるしとなりながら、道であるイエスを愛することである。

 現在を生きながらも、それに飲み込まれず、高く、天を見つめよう。そして、目的地を思い出し、自分たちが永遠へと、神への出会いへと呼ばれていることを考えよう。そして、イエスを愛し、イエスに従って歩くことを選ぼう。イエスに従い天に到達した聖母が、わたしたちの希望を支えてくださいますように。

07 5月 2023, 19:01