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ノリッジのジュリアンの像 ノリッジのジュリアンの像  (Matt Brown)

教皇「時代を超え語りかける神秘家、ノリッジのジュリアン」

教皇フランシスコは、ノリッジのジュリアンの幻視から650年を記念し、英国イースト・アングリア教区司教に宛て書簡を記された。

 教皇フランシスコは、ノリッジのジュリアンの幻視から650年を機会に、英国イースト・アングリア教区のピーター・コリンズ司教に宛て書簡をおくられた。

 ノリッジのジュリアン(1342-1416以降)は、イングランドの神秘家。カトリック教会では福者、英国国教会では聖人として双方から尊敬を受けている。

 ジュリアンは、1373年5月に病気にかかり、数日間重篤な状態に陥った。その時の幻視体験は彼女の信仰生活に大きな影響を与えた。

 この後、彼女はノリッジの聖ジュリアノ教会に隣接した独房で隠遁者として生きる道を選んだ。「ジュリアン」と言う名はその聖堂からとられたものと推定されている。ジュリアンは、隠修生活の祈りと観想、学究のかたわら、訪れる人々に霊的助言を与え、人々の「母(マザー)」となっていった。

 ジュリアンは幻視体験で受けた16の啓示について記し、それは『神の愛の啓示』という著書として世に知られることになった。

 教皇フランシスコは、ノリッジのジュリアンの幻視から650年を機に寄せた書簡で、この英国の神秘家があらゆる時代のキリスト者たちに常に語りかける力を持っていることに大きな意味を見出された。

 教皇はジュリアンの母性的な性格、謙遜な匿名性、深い神学的素養に言及。

 神のいつくしみ深い摂理への信仰、生活の中の聖性が、助けを求める兄弟姉妹たちへの奉仕の中で表される時、それは時代を超えた真理、また正義と兄弟愛ある社会の基礎となっていく、と記している。

 ジュリアンの生き方の中でも、教皇は特に人々へ霊的助言と励ましを与えるその寛大さに注目。

 他者の善のために自分の満足を犠牲にする精神こそが、物質的に豊かでありながらも孤立した世界において必要とされるもの、と強調された。

 教皇は、今日のキリスト者たちがマザー・ジュリアンの生き方を通して励まされ、「仕えられるためではなく、仕えるために」来られたイエスの模範により忠実に喜びをもって従うことができるようにと祈られた。

16 5月 2023, 14:22