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ハンガリー訪問:教皇「愛という言語を話す、真の信仰を」

ハンガリーに滞在中の教皇フランシスコは、ブダペストの教会で貧しい人や難民との出会いを持たれた。

 教皇フランシスコは、ハンガリー訪問2日目、貧しい人や難民との出会いを持たれた。

 4月29日朝、ブダペストの障害児支援施設を訪れた教皇は、続いて同市内の聖エリザベト教会へ向かわれた。

 ハンガリーの聖エリザベト修道女(1207−1231)に捧げられたこの教会は、1895年に建設が始まり、1901年に献堂されたネオ・ゴシック様式の聖堂。第二次世界大戦で大きな被害を受け、再建・修復を経て、かつての姿を取り戻した。聖エリザベトは、ハンガリー王女として生まれ、ドイツのチューリンゲン方伯ヘルマン1世の子息ルートヴィヒ4世と結婚。夫の死後、聖フランシスコ会第三会に入り、貧しい人々のために尽くした。

 同教会で、教皇は貧しい人々や、ウクライナからをはじめとする難民、ロマの人々、またハンガリーのカリタス関係者、ボランティアたちとお会いになった。

 教皇はこの集いで、貧しい人々のための、貧しい人々と共にあるハンガリーのカトリック教会の寛大な奉仕に感謝を表された。

 イエスが「貧しい人に福音を告げ知らせるために」(ルカ4,18)来られたように、貧しい人、助けを必要とする人たちが福音の中心にいることを忘れてはならない、と教皇は強調。

 実生活から離れた「独り善がりの信仰」ではなく、貧しい人々に出会いに行き、「愛(カリタス)という言語」を話す、真の信仰を育むよう人々を励まされた。

 教皇は、貧しい人々への献身で知られる聖エリザベトの生涯を回想。王女として宮廷生活に慣れたエリザベトが、イエスとの出会いによってこの世の豊かさや虚栄を捨て、最も貧しい人々や病者たちの世話に自らを捧げた、その生き方こそ、「愛の言語」をもって語られたもの、と話された。

 ハンガリーの教会が、戦争の恐怖から逃げてきたウクライナの難民たちを熱心に受け入れていることに、教皇は深く感謝され、悲しみと苦しみの中で受けた愛の香油は、人々が未来を信じ、前進していくための力となるだろう、と述べられた。

 また、教皇は、孤独に苦しむ人や、麻薬依存者、元受刑者、ホームレス、高齢者など、物質的援助だけでなく、寄り添いや愛を必要とする人々の存在に関心を向けるよう招き、これらの人々に神の愛を伝え、内面からの再生を助けることができるようにと願われた。

 教皇は、これからもハンガリーの教会と社会に「愛の言語」を通して慈愛をもたらして欲しいと、関係者らを励まされた。

 

29 4月 2023, 16:08