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教皇フランシスコとエマニュエル・ヴァン・リエルデ氏 2020年9月18日 「テルティオ」編集部との出会いで 教皇フランシスコとエマニュエル・ヴァン・リエルデ氏 2020年9月18日 「テルティオ」編集部との出会いで  (� Vatican Media)

教皇「経済は常に社会に奉仕するものであるべき」

教皇フランシスコは、ベルギーのカトリック誌のインタビューに答えられた。

 教皇フランシスコは、ベルギーのカトリック系週刊誌「テルティオ」のインタビューに答えられた。

 このインタビューは、同誌の編集長、エマニュエル・ヴァン・リエルデ氏によって、2022年12月19日に行われ、その内容が2023年2月28日に発表された。ヴァン・リエルデ氏は、2016年11月にも教皇フランシスコにインタビューを行っている。

 ヴァン・リエルデ氏は、教皇フランシスコの在位期を理解する鍵は、第二バチカン公会議にあるのではないかと述べつつ、「第二バチカン公会議の内容を実践に移すことを推し進めるのはなぜか」と質問している。

 これに対し、教皇は「歴史家たちによれば、一つの公会議の決定が完全に効力を表し、それが実践されるまで一世紀かかると言われている。わたしたちがそこに至るまで、まだ40年を経なくてはならない」と話された。

 教皇は、「公会議がもたらしたものは、教会の刷新だけではない。それは刷新だけの問題ではなく、教会を常に生き生きしたものにするという挑戦であった。公会議は教会を新たにするのではなく、若返らせるのだ。教会は常に前進する母である。公会議は、教会が時代のしるしと共にさらに成熟するための扉を開いた」、「たとえば、『教会憲章』は、最も伝統的な公文書であると同時に、最も近代的なものでもある。教会という仕組みの中で、伝統は常に新しい。なぜなら、伝統とは発展成長していくものだからだ」と語った。

 「公会議の内容の適用と実践には、シノドス性を促すことも含まれているが?」という問いに、教皇は、「パウロ6世は、公会議の終わりに、西方の教会がシノドス的側面をほとんど失ってしまったことに衝撃を受けていた。これに対し、東方典礼カトリック教会はそれを保っていた。パウロ6世は、シノドス事務局の設立を発表し、教会に新しいシノドス性を推進しようとした」と、公会議がシノドス性の重要さの再認識の契機となったことを振り返っている。

 「わたしたちの国の教会では、聖職者の数も、信徒の数も減少している。教会の指導者たちは典礼と福音宣教に焦点をあてる傾向があるが、今日教会が注目されるには、社会的・預言的面を示した方が良いのでは?」という質問に、教皇は「それらは互いに矛盾するものではない。祈りと礼拝と信心業は、香部屋に引きこもることを意味しない。ミサを捧げない教会は、教会ではない。しかし、香部屋に身を隠す教会も、また教会とは言えない。」、「ミサには、その後にもたらされるものがある。ミサではパンを裂くが、それは社会的義務、他者の世話をするという義務を促す。祈りと仕事、神の礼拝と兄弟姉妹への奉仕は並行するものだ。なぜならすべての兄弟姉妹の中に、われわれはイエス・キリストを見るからだ」と話した。

 「新自由主義的経済モデルは、限界に達したように思われるが、それに代わるものはあるのか」という問いかけに、教皇は「経済は、社会的な経済でなくてはならない」と強調。「市場経済に『社会的』という言葉を加えたのは、ヨハネ・パウロ2世だった」と振り返りつつ、「現在の経済危機は深刻だ。世界の多くの人が、食べるためにも、生きるためにも事欠いている。豊かさは大企業を動かす一部の人々の手の中にあり、これらの企業は時に人々を搾取する傾向にある。経済は常に社会に奉仕するもの、社会的なものであるべきだ」と語った。

28 2月 2023, 16:26