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10月16日は、国連の「世界食料デー」 写真:イエメンで食事する人々 10月16日は、国連の「世界食料デー」 写真:イエメンで食事する人々  (ANSA)

食糧問題:教皇「数字ではなく人間を軸に考える必要」

教皇フランシスコは、国連の「世界食料デー」を機会にメッセージをおくられた。

 10月16日は、 世界の食糧問題を考えるために国連によって定められた国際デー、「世界食料デー」が記念される。

 教皇フランシスコは、10月14日、この「世界食料デー」を機会に、国連食糧農業機関(FAO)の屈冬玉(チュー・ドンユィ)事務局長に宛てメッセージをおくられた。            

 その中で教皇は、1945年のFAOの設立から今年で77年を迎えることに触れつつ、同機関の誕生は、第二次世界大戦の影響によって困窮と飢えに圧迫された多くの人々の必要に応えるためであったことを回想。

 「残念ながら、今日も、わたしたちは『第三次世界大戦』ともいえる戦争を背景に生きている。世界は戦争の中にあるということを、わたしたちは深く考える必要がある」と記された。

 2022年度の「世界食料デー」のテーマ、「誰一人取り残さない。より良い生産、より良い栄養、より良い環境、より良い生活」に言及された教皇は、人類を襲う数多くの危機に立ち向かうには、誰一人取り残すことなく、皆で働き、共に歩むことが必要であり、そのためには第一に他者を自分たちの兄弟姉妹、人類家族の同じ一員としてとらえることが大切である、と述べている。

 同時に教皇は、あらゆる計画を、数字や統計ではなく、具体的なストーリーや顔を持ち、一定の場所に居住する人間を軸にして考えることの重要性を強調された。

 教皇は、バチカンはFAOをはじめとする諸機関と共に貧しい人々のために働き、兄弟愛と調和と相互協力に重点を置きながら、今日と未来の世界に真の益をもたらす状態を追求すべく取り組む所存であると表明。

 すべての人がその手から糧を受け取ることができるよう、また、パンを貧しい人々と分かち合う人を豊かに祝してくださるよう、教皇は全能の神に祈られた。

14 10月 2022, 16:43