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スカラブリーニ司教とザッティ修道士、聖人に、バチカンで列聖式

バチカンで、ジョヴァンニ・バッティスタ・スカラブリーニ司教と、アルテミデ・ザッティ修道士の列聖式がとり行われた。

 教皇フランシスコは、10月9日(日)、バチカンでミサを捧げられ、この中でとり行われた列聖式で、ジョヴァンニ・バッティスタ・スカラブリーニ司教とアルテミデ・ザッティ修道士の二人の福者を聖人として宣言された。

 聖ジョヴァンニ・バッティスタ・スカラブリーニ司教(1839−1905)は、イタリア出身、ピアチェンツァ教区の司教として精力的に働き、当時大きく増加した移民をはじめ、労働者、青少年の問題など、社会の事象に司牧者としての目を向け、これらの人々のために具体的に働きかけた。特に海外移民の信仰生活に心を配り、彼らへの霊的支援のために、聖カルロ宣教会と聖カルロ・ボロメオ宣教修道女会を創立した。

 聖アルテミデ・ザッティ修道士(1880−1951)は、イタリアに生まれ、若い頃、家族と共にアルゼンチンに渡った。幼くして貧しさの労苦を味わい、子ども時代から働いた彼は、移住先のアルゼンチンで召命を受け、サレジオ会の修道士となった。病院で看護師、薬剤師として働き、病者や貧しい人々に寛大に謙遜に忍耐強く奉仕した。必要のある場所にどこにでも赴き、その愛徳をもって人々を励まし、信仰に導いた。

 この列聖式には、イタリアのピアチェンツァやアルゼンチンをはじめ、二人の新聖人のゆかりの地からの巡礼団をはじめ、修道会の関係者らも多く参加した。

 教皇は説教で、聖スカラブリーニ司教は移民たちと共に歩みながら、その問題だけでなく、神の摂理をも見つめていた、と語り、「かつて迫害による強制的な移住によって、教会はエルサレムとイスラエルを超え、『普遍』のものとなったように、今日の移民によって、教会は人民間の平和と交わりの道具となるだろう」(『イタリア人労働者の移住』フェラーラ、1899)と言った、同司教の未来の世界と境のない教会の姿を見つめる言葉を紹介された。

 また、教皇は、サレジオ会の修道士、聖アルテミデ・ザッティは「神への感謝の生きた模範」であると強調。結核から治った後、全生涯を人々のために捧げ、病者を愛と優しさをもって世話したザッティ修道士の生涯を思い起こされた教皇は、受けた恵みへの感謝に満たされた彼は、他者の傷を自ら背負うことで、その感謝を表そうとした、と語られた。

 わたしたちが隔たりの壁なく共に歩み、神への感謝を育むことができるよう、この聖なる兄弟たちの助けを祈ろうと、教皇は信者らに呼びかけられた。

 

09 10月 2022, 18:14