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トムコ枢機卿の葬儀ミサで告別の祈りを唱える教皇フランシスコ 2022年8月11日 バチカン・聖ペトロ大聖堂 トムコ枢機卿の葬儀ミサで告別の祈りを唱える教皇フランシスコ 2022年8月11日 バチカン・聖ペトロ大聖堂  (Vatican Media)

トムコ枢機卿の葬儀:「奉仕の召命」への献身

福音宣教省元長官、ジョセフ・トムコ枢機卿の葬儀ミサがバチカンでとり行われた。

 先日、98歳で逝去した、教皇庁福音宣教省元長官・国際聖体大会委員会元議長、ジョセフ・トムコ枢機卿の葬儀ミサが、8月11日、バチカンの聖ペトロ大聖堂でとり行われた。

 トムコ枢機卿は、1924年、チェコスロバキア共和国(今日のスロバキア)のウダヴスケに生まれた。1945年、勉学のためにローマに派遣され、1949年にローマで司祭叙階。その後、教皇庁の諸機関で長きにわたり奉仕し、シノドス事務局長、福音宣教省長官、国際聖体大会委員会議長などを歴任した。

 トムコ枢機卿の葬儀ミサは、枢機卿会主席、ジョヴァンニ・バッティスタ・レ枢機卿によって司式され、教皇フランシスコによる告別の祈りが行われた。

 レ枢機卿は説教で、トムコ枢機卿の揺るがぬ信仰と純粋な霊性、神と人々への奉仕に捧げた長く情熱的な生涯を振り返り、中でもトムコ枢機卿が教皇庁の様々な任務を「奉仕の召命」として受け取り、それらに献身していたことを思い起こした。

 トムコ枢機卿が担った教皇庁の数多い役務の中でも、特に福音宣教省長官時代について、同枢機卿は2007年にしたためた自身の「霊的遺言」の中で言及している。この箇所が、レ枢機卿の説教の中で次のように紹介された。

 「(この任務を)心に深く受け止めた。この宣教的奉仕が、キリストの神秘体の構築と発展への貢献のように感じられた。わたしは宣教地の若い教会を、そのすべての美しさ、また脆さと共に愛した。ミサや、司教、宣教師、新学生、修道者、そして、かなりの場合において貧しい人々…。この生きた宣教的教会のために努力し苦しむことは素晴らしいことだった」。

 このバチカンでのミサに続き、トムコ枢機卿の棺はスロバキアのブラチスラバのカテドラルに運ばれ、数日後、コシツェのカテドラルに向かう。そして、8月16日、同地での葬儀と埋葬がとり行われる。

 トムコ枢機卿は、バチカン放送局の貴重な協力者でもあった。同枢機卿は、毎月最終日曜日に放送されていたスロバキアの教会についての10分ほどの番組を70年以上にわたり続けた。この番組は特に共産党政権下にあった「沈黙の教会」の時代、信者たちの信仰の支えとしての役割を果たしていたという。

 

 

11 8月 2022, 16:42