ミャンマー:教皇「人間の尊厳といのちの権利の尊重を」
教皇フランシスコは、6月19日(日)の正午の祈りで、ミャンマーの情勢を憂慮され、人間の尊厳といのちの権利の尊重をアピールされた。
「ミャンマーから多くの人々の苦しみの叫びが届き続けている」と述べた教皇は、基本的な人道支援の不足に苦しみ、家を焼かれたため、また暴力のために避難せざるを得ない同国の人々に思いを向けられた。
教皇は、ミャンマーの司教らに一致し、国際社会がミャンマーの人々を忘れることがないように、人間の尊厳といのちの権利、また宗教施設や病院、学校が尊重されるようにと呼びかけられた。
そして、教皇は、この日バチカンの聖ペトロ広場に集ったイタリア在住のミャンマーの人々に祝福を与えられた。
ミャンマーでは、民間団体らの調査によれば、2021年2月1日のクーデター勃発以来、2000人近くの市民が殺害され、約1万1千人が逮捕された。また国連難民高等弁務官事務所によれば、100万人以上が国内難民となっている。
また、ここ数ヶ月、ミャンマーの国軍は、カトリック教会を含む複数のキリスト教教会や、教会系の学校、またなどを攻撃対象としてきた。
カトリック系通信局SIRが伝えるロイコー教区の司祭の話では、軍と関係するテロリストにより家や集落が放火されており、ある小教区では主任司祭と信者らが村に戻れず、何か月も森の中に避難しているという。
同国のカトリック司教団は、先週、定例総会後に声明を発表。その中で政情不安と紛争の中で生きる市民らの不安定な状況に深い懸念を表した。
司教らはその中で「人間の尊厳といのちの権利が侵害されることがあってはならない」、「人命の尊重、また宗教上の聖なる場所・病院・学校が尊重されるよう強く願う」とアピールしている。
ミャンマー司教協議会は、先例のない困難を生きる人々にいかなる差別もなく人道支援を行い、正義・平和・和解のために努力するよう、同国の司祭・修道者・信徒らを励ましている。