教育におけるグローバルコンパクトを考える諸宗教指導者の集い
10月5日、ユネスコが定める「世界教師デー」が記念された。
同日、「宗教と教育:教育におけるグローバルコンパクトを目指して」をテーマに、バチカンで諸宗教指導者の集いが開かれた。
教皇フランシスコは、人間と教育の関係を見直し、教育のための新しいグローバルな協定づくりを考える国際イベント「教育のためのグローバル・コンパクト」の2020年5月の開催を希望。しかしながら、パンデミックの影響で延期され、同年10月、オンライン・ミーティングの形で参加者らとの対話が行われた。
その後も、教皇庁教育省は、様々なレベルにおいて同テーマの考察を継続してきたが、このたびの世界の諸宗教リーダーとの教育をめぐる対話は、歴史的にも重要な意味を持つものとなった。
今回の集いは、諸宗教の指導者らと現代の教育における大きな挑戦について意見を交換し、
国際的アジェンダの中心に教育と人間を据えるための努力を広く呼びかけるもの。
教皇は挨拶で、「わたしたちがより兄弟愛に満ちた世界を望むならば、外見や、生まれた場所・住む場所などの違いを超えて、すべての人を認め、尊重し、愛するように、新しい世代を教育しなければならない」と強調。
教育の基本は「自らを知る」ことであるが、それだけでなく、「兄弟を知り」「被造物を知り」「超越的な存在を知る」ことが必要、と話された。
教皇は、諸宗教の伝統の叡智と人間性をもって、世界に普遍的な兄弟愛を育てるための新たな教育的取り組みに、刺激を与えていくことができるようにと希望された。
この集いでは、今日の世界の挑戦を踏まえた「教育におけるグローバルコンパクト」の推進の重要性をアピールする、教師と教育者に宛てた諸宗教リーダーたちからのメッセージが、ユネスコのステファニア・ジャンニーニ教育事務局長補に託された。