教皇「常に歩み、識別する」姿勢を強調、信徒団体の管理者たちに
教皇フランシスコは、9月16日、カトリック信徒の諸団体の管理者らとお会いになった。
この日、バチカンのシノドス・ホールで、カトリック信徒による国際的な団体・組織・運動・共同体の、管理・調整を担う人々のミーティングが開かれた。この会合は、パンデミックの影響で、オンライン形式での参加を交えて行われた。
教皇はミーティングの参加者らに挨拶をおくられ、信徒たちの組織の宣教的な力、その預言的な存在は未来に希望を与えるものと、感謝を表された。
教皇はこの席で、特に今年6月に教皇庁信徒・家庭・いのち省から発表された、信徒による国際組織をめぐる教令について、その意図を説明された。
この教令は、国際的な信徒団体・組織の責任者らの任期と信任の回数、および責任者らを選ぶ方法やそれを選ぶ人々に関する規則を定めている。
信徒団体の管理・責任を負う者は奉仕のために召されている、と述べた教皇は、権力欲や不誠実さに陥らず、また人々が期待するキリスト教的証しの挑戦からはずれ、自分たちだけの世界に閉じこもることがないよう、注意を促された。
統治とは奉仕であるという原則を忘れる時、教会は闇を経験することになる、と教皇は話し、これまでも視察・調査のもとに醜悪な罪が明るみに出され、困難な状況に陥った修道会や団体があった、と思い起こされた。
あらゆる悪用の根源は、権力の悪用にある、と教皇は述べると共に、組織の病気は創立者のカリスマが弱まった時にも起きることがある、と指摘された。
教皇はまた、組織内に生まれる不平等の原因の例として、責任者たちが、選挙の票と引き換えに何かの約束をしたり、自分だけが創立者のカリスマの真理を保持していると思い込むこと、などを挙げた。
教皇は、組織の健全な運営のために、責任職にある人々や選挙に伴い構成された管理メンバーの交替を、有益かつ必要なこと、として示された。
さらに、教皇は創立者をめぐり、歴史的存在で堅固な伝統に結びつく創立者と、健在あるいは近年の創立者である場合を区別しつつ、それぞれの立場から創立者のカリスマを再確認し、古い創立者である場合、会則など変更が必要なものは検討し、組織がまだ創立期にある場合は、そのカリスマを吟味し続けることが大切、と説かれた。
組織が自分たちの中に閉じこもり、安心し、いかなる挑戦も変化も必要ないと思いこむことがないようにと、教皇は助言し、「常に歩み、常に識別する」姿勢の重要さを強調された。