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教会における制裁を扱う、教会法典「第6集」(写真:1983年版) 教会における制裁を扱う、教会法典「第6集」(写真:1983年版) 

教皇、使徒憲章により教会の刑罰制度を改定

教皇フランシスコは、使徒憲章「パシテ・グレジェム・デイ」を発表。これにより教会における刑罰制度を改定した。

 教皇フランシスコは、使徒憲章「パシテ・グレジェム・デイ」をもって、「教会法典」の「第6集」を改定した。この改定作業は、ベネディクト16世により始められたもので、これにより新しい形の犯罪が処罰されることになる。改定版は、「より重大な悪を防ぎ、人間の弱さによって引き起こされた傷を和らげる」ように取り組むための、いっそう有効な道具となる。

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 「あなたがたにゆだねられている、神の羊の群れを牧しなさい。強制されてでなく、神に従って、自ら進んで世話をしなさい」(参照 1ペトロ5,2)。使徒ペトロのこの言葉と共に使徒憲章「パシテ・グレジェム・デイ」は始まる。この使徒憲章をもって教皇フランシスコは、「教会法典」中の教会における制裁を扱う「第6集」を改定することを望まれた。バチカン広報局より6月1日に公布されたこの改定版の内容は、今年12月8日より発効する。

 教皇は同文書の中で、「世において教会が必要とするものにふさわしく応えるために、聖ヨハネ・パウロ2世が1983年1月25日に公布した教会法典中の刑罰法規をも見直す必要が明らかになると共に、司牧者たちに、より重大な悪を防ぎ、人間の弱さによって引き起こされた傷を和らげるための道具として、それを用いることを可能とする変更が必要となった」と述べている。

 そして、教皇は、ベネディクト16世が2007年に着手し、世界中の教会法専門家、司教協議会、修道会責任者、教皇庁諸機関が「共に参加・協力する精神」のもとに取り組んだ、この改定作業の経緯を思い起こしている。この深い内容を持つ複雑な作業の実りは、2020年2月、教皇フランシスコの手に託された。

 教皇フランシスコは、世紀にわたり教会が行いに対する規則を定め、「司教をその順守に関する責任者とし、神の民を一つにまとめてきた」歴史を見つめている。そして「愛といつくしみは、しばしば曲がってしまったものを、父がまっすぐ正すことを要求する」と強調している。

 このことは、「教会やキリスト教共同体、被害者とされる人に対してのみならず、犯罪を犯したことで、教会側からの処罰という憐みの時を必要とする者に対しても、慈愛によって求められる、不可欠で具体的な完成すべき課題」であった、と教皇は説明。「特に多くのケースにおいて、信者の間につまずきと混乱を生むという考え方が、更生をより困難なものにしていた」と述べている。

 そして、教皇は、「刑罰制度に訴えない司牧者の怠慢は、この司牧者がまっすぐ誠実に自身の任務を果たしていない、ということを表している」と明言。

 実際、「慈愛は、司牧者が必要な時はいつでも刑罰制度に訴えることを求めている。その時、司牧者は教会共同体のために次の三つの目的を考慮に入れるべきである。それは、正義が求めるものの回復、罪人の更生、不正に対する償いである」と記している。

 「改定版は、現行法に様々な変更を導入し、いくつかの新しい形の犯罪を制裁するものである」。

 また、改定版は、「例えば、弁護人依頼権、公訴時効、刑罰のより正確な定義など、特に刑法の基本に関わる専門的観点から」も改良され、「具体的なケースにおいて適用すべき最もふさわしい刑罰の見極めにおける客観的基準」を提供すると共に、「特に共同体の中でより大きい被害とつまづきをもたらす犯罪のために」、刑罰の適用において、当局の自由裁量性を減少させ、教会的一致を重視するものとなっている。

 教皇は、同使徒憲章に、2021年5月23日、聖霊降臨の祭日の日付をもって署名された。

01 6月 2021, 18:16