教皇、スコラス・オクレンテス関係者たちと交流
教皇フランシスコは、5月20日(木)、「スコラス・オクレンテス」のローマ事務局を訪問された。
「スコラス・オクレンテス」(「出会いの学校」の意)は、教皇がブエノスアイレス大司教であった当時から進めてきた教育ネットワークで、青少年たちに教育の機会を提供し、出会いと対話、自分とは異なる存在への理解や尊重を育むことを目的としている。
「スコラス・オクレンテス」は、現在、教皇庁基金として、その活動を中南米やアフリカをはじめ世界各地に広げている。
この日の午後、ローマ・トラステベレ地区のサン・カリスト館に置かれた「スコラス・オクレンテス」の事務局で、教皇は同ネットワークの教育事業に参加する青少年たちや協力者らとの出会いを持たれた。
「パンデミックのもとで物理的に外出できなくとも、精神的に外に出るよう努力した」という青年の話に耳を傾けた教皇は、「自分の外へ外へと出て行くこと、これが鍵です。自分に閉じこもっていると、朽ちてしまいます。水は流れている時は澄んでいますが、止まるとよどんでしまうのと同じです」と話された。
この集いでは、世界各地の「スコラス・オクレンテス」関係者とビデオを通した交流も行われ、教皇はこの中で同ネットワークのオーストラリア支部のバーチャルな開所式をとり行われた。
また、「スコラス・オクレンテス」との関わりの中で過去の傷から立ち直った少年や、家族の病気によって深い危機に陥いりながらも「スコラス」の活動を通して希望を取り戻した少女の体験が語られた。
一方、イタリアの教師たちのグループは、パンデミックの影響で学校教育の現場が混乱した時、「スコラス・オクレンテス」の支援で、パンデミック危機に対応するための方法を勉強する機会を与えられ、これによって教師も生徒たちも活気を取り戻すことができた、と語った。
また、スペインのバレンシアのサッカーチームはビデオを通し、教皇に布で作ったサッカーボールを贈った。昔の子どもたちがこうした布製のボールで遊んでいたことを思い起こされた教皇は、スポーツや遊びにおいて、貧富を超えていく無償性の大切さを強調された。
この出会いでは、ローマの会場の若者たちと、ビデオでつながった世界の若者たちが、それぞれ鉢の中の土に、再生と再出発そして挑戦のシンボルとしての井戸を象徴的に掘った。
最後に、教皇はすべての関係者に励ましと祝福をおくられた。