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教皇フランシスコ「人民に根差した政治」テーマの国際会議にメッセージ 教皇フランシスコ「人民に根差した政治」テーマの国際会議にメッセージ 

教皇「人民のための、人民と共にある、奉仕の政治を」

教皇フランシスコは、「人民に根差した政治」をテーマにした国際会議にメッセージをおくられた。

 教皇フランシスコは、「人民に根差した政治」をテーマにした国際会議にビデオメッセージをおくられた。

 この会議は、ロンドンの「神学とコミュニティーのためのセンター」が主催したもので、特に市民運動やそれを支える民間団体の活動を、見る、識別する、行動する、の三つの視点から捉え、意見を交換した。

 教皇は「土地・家・仕事」をめぐる闘いにおいて人々に寄り添う市民運動関係者らに挨拶をおくり、特に今日の、パンデミックを原因とする貧困と失業問題は、皆さんの事業と証しを緊急に必要としている、と話された。

 そして、この会議は、今日の「ポピュリズム」の拡大に対する答えは、もはや個人主義にではなく、人民の生活に根差した、兄弟愛の政治にあることを示していると教皇は述べた。

 すべての人に尊厳ある生活と、美徳と新たな絆を育む生活を保証するメカニズムを見出す政治を、「ポポラリズム」と呼びたいと教皇は話し、それは人民のためはもとより、人民と共にある、奉仕としての政治である、と話された。

 これに対して、「ポピュリズム」は、意識的、あるいは無意識的に、すべてを人民のためと言いながらも、人民不在になる傾向があり、その結果、ポピュリズム的ビジョンにおいて、人民は自分自身の運命を担う主役ではなく、一つのイデオロギーの負債者になってしまう、と教皇は語った。

 教会にとって、人民の精神的価値と文化から社会正義の推進を切り離すことは、不可能であると教皇は述べた。なぜなら、キリスト教共同体において、これらの価値は、失望し、道に迷う人々を探し求めるイエス・キリストとの出会いから生まれるからである、と話した。

 教皇は、市民運動を見守りながら働く司牧者たちについて、時には政治的すぎると言われ、またある時には宗教を押し付けると言われる、その難しい立場に理解を示された。

 民の司牧者、宗教的司牧者は、勇気をもって、民の前を、中を、後ろを歩くべき、と教皇は励まし、前を歩くのは人々に道を示すため、中を歩くのは人々に耳を傾けるため、後ろを歩くのは遅れた人たちを助けるためである、と話された。

15 4月 2021, 18:29