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教皇、ペル枢機卿とお会いに

教皇フランシスコは、ジョージ・ペル枢機卿とお会いになった。

 教皇フランシスコは、10月12日、ジョージ・ペル枢機卿を迎えられた。

 オーストラリア出身で、シドニー教区名誉大司教、2014年から2019年まで教皇庁財務事務局長官を務めたペル枢機卿(79)は、数日前、ローマに戻り、この日、バチカンに教皇フランシスコを訪問した。

 教皇は、ペル枢機卿と再会の挨拶を交わされ、同枢機卿のこれまでの証しに感謝を述べられた。

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 ペル枢機卿は、メルボルン大司教時代における未成年者への性的虐待の訴えをめぐり、その裁判のため、財務事務局長官任期中の2017年7月、教皇の許可のもと、バチカンを後にし、オーストラリアに帰国した。

 2018年12月、ペル枢機卿は、メルボルン地裁により、有罪判決を受けた。

 2019年8月、控訴審で、ヴィクトリア州最高裁は、同地裁の判決を支持し、ペル枢機卿の控訴を棄却。

 一貫して無罪を主張してきたペル枢機卿は、豪連邦最高裁判所に上告。2020年4月、オーストラリアの連邦最高裁判所は、下級審によるペル枢機卿への実刑判決を全会一致で破棄した。

 最高裁では、「犯罪は行われなかったという理にかなった可能性があり、よって、ここには無実の人物を罪に定める可能性がある」とし、7人の裁判官全員一致で、ペル枢機卿の無罪を結論づけた。

 上告審での無罪判決まで、ペル枢機卿は、およそ400日間にわたり、禁固刑に服していた。

 ペル枢機卿は釈放後、自身が常に訴え続けた無実が認められたことで、これまで受けた不正義が正された、と語った。また、自分の告発者に対する恨みはない、とも述べた。

 そして、長い癒しの基礎となるものは真理であり、正義の唯一の基礎も真理である、なぜなら正義とは、すべての人のための真理を意味している、と話した。

 教皇フランシスコは、ペル枢機卿の無罪判決の知らせから数時間後、バチカンのサンタ・マルタ館でのミサで、「四旬節のこの日々、わたしたちは、イエスが迫害され、律法学者たちがイエスをいかに敵視したかを見ました。イエスは罪のない方でありながら、憎しみによって裁かれました。今日、わたしは、憎しみによる不当な判決に苦しむすべての人々のために祈りたいと思います」と、ペル枢機卿の名前に触れずに、このように説教した。

 バチカン広報局は、ペル枢機卿の無罪判決を受け、教皇庁は常にオーストラリアの司法当局に信頼を置き、同連邦最高裁判所の、ジョージ・ペル枢機卿に対する未成年者虐待の訴えに無罪を告げ、実刑判決を破棄した、全会一致の判決を好意的に受け止めている、と声明した。

 ペル枢機卿は、司法府の判断に自らをゆだねる中で、真理が明らかになることを待ちながら、一貫して無罪を訴えていた、とバチカン広報局の声明は述べ、この機会に、未成年者に対するあらゆる虐待の防止と追及に取り組む教皇庁の意向を改めて強調した。

13 10月 2020, 09:34