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教皇「人間の友であるヨーロッパを目指して」

教皇庁とヨーロッパ地域統合体との協力関係50年を機に、教皇フランシスコは、バチカン国務長官パロリン枢機卿に書簡をおくられた。

 教皇庁とヨーロッパ地域統合体との協力関係50年を機に、教皇フランシスコは、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿に書簡をおくられた。

 今年は、カトリック教会の欧州連合司教委員会の設立40周年、および教皇庁と欧州連合との外交関係樹立50周年、また欧州理事会における教皇庁のオブザーバー参加から50周年を迎えた。

 この節目に、10月末、欧州連合関係者と欧州連合司教委員会メンバーとのビデオを通した出会いが予定されている。

 教皇は、この機会にパロリン枢機卿におくった書簡の中で、ヨーロッパが一致を強め、その根源と理想に立ち帰ることを願われた。

 欧州の統合のプロジェクトは、過去の分裂を克服し、「一致は闘争に勝る」との理念のもと、共に一致することから生まれる力の認識から始まったもの、と教皇はその原点を指摘。

 それに反して、今日、自国第一主義が拡大するヨーロッパにおいて、現在のパンデミック危機は分水界のように、自治性に惹かれるここ10年の歩みを続けるか、あるいは「兄弟愛の道」を再発見するかの、その選択を迫っている、と述べられた。

 「ヨーロッパよ、自分に立ち帰れ」という聖ヨハネ・パウロ二世の言葉を繰り返しながら、教皇はヨーロッパがそのアイデンティティーと、社会の基礎にある精神、深い源を持つ理想、未来に開く豊かな過去の歴史を取り戻すようにと呼びかけられた。

 こうした中、教皇は、すべての人の尊厳が尊重される「人間の友」であるヨーロッパ、家族・共同体であるヨーロッパ、連帯し寛大であるヨーロッパ、健全な世俗性の中に宗教が尊重されるヨーロッパの、4つの「夢」を述べられた。

 これらの言葉を司牧者の心から生まれたものとして示された教皇は、ヨーロッパはまだ多くを世界に与えることができると、その確信を表された。

 

27 10月 2020, 16:35