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移民を乗せた船 2020年9月9日 イタリア・ランペドゥーサ島沖 移民を乗せた船 2020年9月9日 イタリア・ランペドゥーサ島沖 

「国境は出会いの窓」教皇、欧州の移民問題研究プロジェクトに

教皇フランシスコは、移民問題への理解を深めることを目的とした、欧州共同プロジェクトの関係者とお会いになった。

教皇フランシスコは、9月10日、移民問題への理解と対応をめぐる、欧州共同プロジェクトの関係者らを迎えられた。

「国境からのスナップショット」と名付けられたこのプロジェクトは、移民の玄関口、あるいは移民の受け入れ国となっている欧州諸国が参加するもので、相互依存する世界と移民現象についての意識を高め、国境にあるヨーロッパ諸都市間の調整をスムーズにし、ヨーロッパと各国レベルでの政策的調和をはかることを目的としている。

この日、バチカンを訪れたのは、イタリア南部ランペドゥーサおよびリノーサの市長を団長とした同プロジェクト参加者からなるグループ。

教皇は、関係者への挨拶で、移民現象への深い理解を促進し、ヨーロッパ社会により人間的で秩序ある対応を提案する、このプロジェクトの先見性を指摘された。

現在の移民をめぐる情勢は複雑であり、時に悲劇的結果を見ることがある、と教皇は述べ、移民の流れを決定づけるグローバルな相互依存性の研究の大切さを示された。

世界の様々な地域で生じ続ける人道的悲劇に誰も無関心でいることはできない、と訴えながら、教皇は特に地中海での移民の悲劇に言及。これに関連し、今年2月にイタリア南部バーリで開催された、地中海と平和をテーマとした司教の集いを思い起こされた。

そして、この問題に立ち向かうためには、国レベル、国際レベルでの具体的連帯と共同責任が不可欠であるだけでなく、移民問題を語る際に、それぞれの顔・ストーリーを持つ、一人ひとりの人間を中心に据えた視点を持つことが必要、と語られた。

国境はいつも分け隔てるものと考えられているが、それを、相手を知ることで互いに豊かになり、多様性における交わりを推進するための、出会いの「窓」とすることができる、と教皇は述べ、出会いと連帯の文化のために働く同プロジェクトの参加者を励まされた。

10 9月 2020, 18:07