聖ヨハネ大聖堂でローマの主任司祭たちの集い
灰の水曜日の翌日、2月27日、ラテランの聖ヨハネ大聖堂で、ローマ教区の主任司祭たちの集いが行われた。
毎年恒例のこの行事では、教皇フランシスコによる講話や、教皇ご自身による数人の司祭たちへのゆるしの秘跡が予定されていたが、この日、教皇は軽い不調のため大事を取り、同大聖堂への訪問を控えられた。
一方、この日、教皇はバチカン内で、サンタ・マルタ館礼拝堂での朝のミサのほか、「世界カトリック環境運動」関係者との出会いをはじめ、予定された行事をとどこおりなく行われた。
教皇は主任司祭たちとの集いのために用意された講話を、ローマ教区教皇代理司教アンジェロ・デ・ドナーティス枢機卿に託された。
この講話で教皇は、司祭とは、苦しみを体験しつつ変容された者、希望と和解の人であるべき、と述べている。
教皇は、信仰上の苦しみは、単なる期待とキリスト教的希望を混同することから起きる、と強調。
「キリスト教的希望は失望させることがない。希望とは物事がうまくいくと思い込むことではなく、すべての出来事を過ぎ越しの光のもとにとらえること」と説いている。
また、教皇は、神の御前で「優等生」でいようとせず、詩編作者たちがそうであったように、祈りの中で、自分自身だけでなく、人々の苦しみについて、神に訴える姿勢が必要とも語っている。
さらに、教皇は、ロレンツォ・スクーポリ(1530-1610司祭・修道者)の『霊的闘い』にあるように、自分を守ろうとすることをやめて、神だけに信頼することを決心した時に、希望がわき出でる、とも記した。
「神の民はわたしたちのことを誰よりもよく知っている」と述べた教皇は、司祭らの苦しみを知り、そのために祈る信者たちの存在を指摘。「信者たちの祈りに、自らの祈りを合わせ、自分たちの苦しみを民のための甘い水に変えていただけるよう、主に祈ろう」と招かれた。