神のみことばの主日:教皇「毎日聖書を読もう」
1月26日、カトリック教会の典礼暦で、最初の「神のみことばの主日」が記念された。
教皇フランシスコは、2019年9月、自発教令「アペルイト・イッリス」を通し、典礼暦の「年間第3主日」に、「神のみことばの主日」を設けられた。
この主日は、ラテン語訳聖書の翻訳者、聖ヒエロニモ司祭教会博士(347頃-420)の帰天1600年を機に制定された。
第一回となる「神のみことばの主日」が記念されたこの日、教皇はバチカンの聖ペトロ大聖堂でミサを捧げられた。
ミサの説教で教皇は、「イエスは、宣べ伝え始められた」(マタイ4,17)という、イエスのガリラヤでの伝道の開始に注目。「神のみことば」であるイエスは、その言葉と生き方をもってわたしたちに語りかけるために来られた、と述べられた。
イエスは伝道をどのようなことばで始められたのか。それは「悔い改めよ、天の国は近づいた」(同4,17)というものであった。
教皇はこのことばを、すべてのイエスの説教の基礎となるもの、と述べ、「天の国が近づいた」とは、「神は遠い存在ではなく、近くにおられる」ということであり、それは「神は人となり、わたしたちの間に来られた」という喜びのメッセージである、と説明された。
また、「悔い改めよ」とは「生き方を変えよ」ということであり、それは自分自身のために生きる時は終わり、神と共に神のために、人々と共に人々のために、愛と共に愛のために生きる時がやってきたということ、と教皇は説かれた。
加えて、教皇は、イエスは誰に最初にそのことばを向けたのか、と問い、イエスが最初に呼び止めたのは、特別に選ばれた人々ではなく、そこで働いていた漁師たちであった、と指摘された。
そして、教皇は「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」(同4,19)という、わかりやすく、漁師たちの心を惹きつける、イエスのことばを観想された。
イエスの使徒となる漁師たちは「すぐに網を捨てて従った」(同4,20)が、それはイエスの愛に惹かれ、その召し出しのことばを毎日聞きたいと思ったからである、と教皇は語られた。
「わたしたちはイエスのことばを必要としている。毎日氾濫することばの中で、イエスのことばだけは物事ではなく、いのちについて語っている」と述べた教皇は、「わたしたちの中に神のみことばを迎えよう。福音書からはじめ、毎日聖書を読もう」と呼びかけられた。