「人命救助は倫理的義務」教皇、難民との出会いで
教皇フランシスコは、12月19日、ギリシャの難民キャンプからローマに到着した難民たちと交流された。
教皇がお会いになったのは、最近、レスボス島のモリア・キャンプから、人道回廊によって、ローマに到着した、33人の難民で、このうち14人は未成年者、十数人はキリスト教徒。
また、難民の救援にあたるグループや、聖エジディオ共同体のメンバーも参加した。
集いでは、関係者から、アクリル素材で包まれ十字架にかたどられた一枚の救命胴衣が教皇に託された。
この救命ベストは、今年7月、海上で行方不明になった一人の難民が身に着けていたもので、ベストだけが地中海を漂流しているのを発見された。
教皇は「十字架を背負う」この救命ベストを、不正義によって祖国を離れざるを得ず、不正義によって旅の果てに海で命を落とした、多くの犠牲者たちの苦しみの象徴として示された。
そして、十字架の透明さは、わたしたちに常に真理を注意深く見つめ、探し求めるよう招き、またその光は復活におけるわたしたちの信仰を励ましている、と述べられた。
教皇は、人命を救うことは、信仰を持つ人、持たない人を一致させる倫理的義務であることを、目と心を開いて思い出すよう、この救命胴衣を今回の集いが行われた場所に掲げたい、と話された。
どうして多くの兄弟姉妹の絶望の叫びに耳を傾けないでいられようか、わたしたちの怠りは罪である、と教皇は説かれた。
無関心でいることをよしとせず、困難にある人を助ける決意を持った人々に感謝された教皇は、難民船を阻止することだけでは問題は解決しないと述べられた。
教皇は、リビアの難民収容キャンプを空にすることを目指して、移民の取り引き・搾取をする者を訴え、追跡し、人命を経済利益に優先させる必要を訴えられた。