「希望を励ます社会的使徒職」教皇、イエズス会関係者に
教皇フランシスコは、11月7日、社会正義とエコロジーをテーマにしたイエズス会の国際ミーティング参加者とお会いになった。
イエズス会の社会正義とエコロジー事務局は、11月4日から8日までローマで国際会議を開催、同事務局の設立50年を記念すると共に、社会に対するいっそうの関心を呼びかけた。
イエズス会の同事務局は、第28代目総長ペドロ・アルペ神父によって1969年に設立された。
ミーティング閉会前日、バチカンに集った参加者らに教皇は挨拶をおくられた。
教皇はこの中で、イエズス会は貧しい人々への奉仕に招かれており、聖イグナチオが「基本精神要綱」に記したように、それは同会の一つの召命であると強調。
同会創立期からのこの伝統は今日まで続き、アルペ神父はその強化を望んだが、彼の召命の根底にあったものは、人々の苦しみに触れた経験であった、と語った。
アルペ神父は、信仰の奉仕と正義の促進は切り離せず、根本的に一致したものであると信じていた、と教皇は話した。
教皇は、わたしたちは毎年降誕祭に神を生まれたばかりの幼子の中に観想するが、その幼子は「自分の民のところへ来たが、民から受け入れられなかった」(参照:ヨハネ1, 11)、疎外された存在であった、と述べた。
聖イグナチオによれば、聖家族には奉仕する一人の侍女がいた。そしてイグナチオは、その侍女と一緒に自分もその場にいるようにし、小さな、値しないしもべとなって、彼らを見つめ、観想し、彼らの必要において奉仕するよう招いていたことを教皇は思い起こした。
そして、「疎外された神」に対するこの動的観想は、見捨てられた人々の一人ひとりが持つ美しさを発見するための助けになる、と話された。
今日の世界は、脅かされている命を保護し、弱い立場の人々を守るように変わっていく必要があると、教皇は述べた。
では社会的使徒職は問題解決のために存在するのだろうか、と教皇は問いつつ、「そうです、特に問題解決のプロセスを促進し、希望を励ますために存在します。そのプロセスは人や共同体の成長を助け、彼らの権利を自覚させ、能力を伸ばし、自分たちの未来を作ることを助けます」と説かれた。
教皇は最後に、アルペ神父の遺言といえるメッセージが記された一枚のカードを示された。
「アルペ神父は、タイの難民キャンプで見捨てられた人々と共にいて、彼らと共に苦しむことを望み、タイからの帰路で発作に襲われた。タイでアルペ神父が残したメッセージは、「祈りを忘れるな」という言葉だった」と教皇は話し、このカードと共にアルペ神父のメッセージを忘れないでほしい、と願われた。