「貧困と飢餓の撲滅のために努力の継続を」教皇、FAO総会参加者に
教皇フランシスコは、国連食糧農業機関(FAO)の総会参加者に挨拶をおくられた。
教皇フランシスコは、バチカンで6月27日、国連食糧農業機関(FAO、本部:ローマ)の第41回総会の参加者らとお会いになった。
この集いで教皇は、間もなく任期を満了するジョゼ・グラツィアーノ・ダ・シルバFAO事務局長と、8月1日より次期事務局長に就任する屈冬玉氏をはじめとする関係者らに挨拶をおくられた。
教皇は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の目標1と2にある、貧困と飢餓の撲滅のために、皆の一致した努力の継続を願われた。
世界の「飢餓ゼロ」の目標は、ここ数十年の進歩はあるものの、未だに大きな挑戦である、と教皇は話された。
食料や水の不足と闘うには、その原因に対して行動しなくてはならないと述べつつ、教皇はこの悲劇の根源として、多くの人々の憐みの心の欠如や無関心、国際的義務に応える政治・社会における意志の希薄さを指摘された。
教皇は、食料と水の不足は貧しい国々の国内問題に留まらず、わたしたち一人ひとりの態度にもかかっており、それによって兄弟たちの苦しみを和らげるか、増すかを左右することになる、と強調。
わたしたちは皆、兄弟たちの悲痛な叫びに耳を傾け、彼らが基本的権利の保証のもとに生活できるよう、あらゆる対策を講じなくてはならない、と呼びかけられた。
そして、教皇は、わたしたちが実践できることの一つとして、食べ物や水の無駄を減らすことを挙げられた。
また、環境破壊と食糧不安が移民現象に与える影響を見つめられた教皇は、貧しい地域の農業の発達を、技術改良だけでなく、連帯精神に満ちた新たな政治理念をもって支援していく必要をアピールされた。
27 6月 2019, 17:02