教皇「誘惑に打ち勝つには、神と共にあること」アンジェラスの祈り
3月10日正午、バチカン聖ペトロ広場は、教皇と共に聖母マリアへの祈りを唱えようと、たくさんの巡礼者たちが集まった。
教皇はその日のミサの福音書からテーマを取り、内的生活と、神への信仰と愛こそが、誘惑に対する強力な武器である、と次のように語られた。
「今日、四旬節第一主日のミサ中朗読された福音によれば、イエスは悪魔から三度誘惑されたとあります。
最初の誘惑は、石をパンに変えてみろ、というものでした。悪魔のいつものずるがしこいやり方です。生きるために必要不可欠な食べること、幸福になることなどを、神なしでも、むしろ神に対抗しても、自然に実現できると思い込ませようとします。
イエスは、神の御摂理に完全に信頼することで、悪魔の誘惑に対抗することを教えます。人はパンだけで生きる存在ではありません。
二番目の誘惑として、悪魔はイエスに全世界の国々を示し、力ある栄光に輝く救い主になるよういざないます。イエスは、ただ神なる主にのみ、膝をかがめ、神のみを拝するようにと返答します。
神以外の金銭、権力、成功、出世、自己満足などの偶像は、あらゆる真の人間的尊厳をそこないます。泡のようにすぐに消え去る、虚しい喜びに酔いしれるだけです。
三番目の誘惑では、悪魔はイエスをエルサレムの神殿のてっぺんに連れて行きます。神として劇的なその力を誇示するために、そこから身を投げるよう誘います。イエスはこのたびも、また神なる御父の御前で完全な信頼と謙遜を示しつつ、悪魔に対抗します。
こうして、イエスは神と共にあることによって、悪魔のすべての試みを打ち払います。
わたしたちを神から遠ざけようとする試みはすべて、悪魔の仕業です。どこでもいかなるときにも、神と共にあること、これこそ、あらゆる試みに対抗するための一番の良策なのです」。