アフガニスタン：現地の教会系組織「対話の糸口探す必要」

　アフガニスタンでは、反政府武装勢力タリバンが首都カブール進攻によって全土を掌握、これまでの政権は事実上崩壊した。

　同国で長年、障害児支援のために奉仕を行ってきたカトリック系組織「カブールの子どもたちのために」の責任者、ロガツィオニスティ会のマッテオ・サナヴィオ神父は、バチカン・ニュースのインタビューに答え、同組織が現在直面している新たな状況について語った。

　サナヴィオ神父は、「カブールの子どもたちのために」の現在の活動について、「今、アフガニスタン、特にカブールから届く情報はネガティブなものが多く、混乱の中で駐在者の帰国だけが進んでいる状態であり、すべての支援活動は一時的に中断されている」と話した。

　今後、人道回廊が再開される希望はあるか、との問いに、同神父は「この危機の最初の段階では闇しか見えないが、これが過ぎた後には、カブールの障害児たちへの支援を再び始められるよう、一筋の希望の光が差すことを願っている」と語った。

　サナヴィオ神父は、支援組織「カブールの子どもたちのために」について、聖ヨハネ・パウロ2世の「カブールの子どもたちを助けてください」とのアピールを受け、2001年に誕生し、2006年からカブールでの活動を開始、すでに現地で15年の経験を持つもの、と説明。この活動は教会史の中でも特筆すべきもので、当時、14の男女の修道会が教皇の呼びかけに答えてこれに参加した、と話した。

　その活動では、障害児、特に精神障害を持つ子どもたちを受け入れており、同国では重度でない障害児は普通の学校に入学するため、障害児のための特別な教育施設を設立し、そこで小学校入学前の準備としての教育を行っている、と同神父は述べた。

　最近では、パンデミックのために施設の閉鎖と再開を繰り返したが、まさに数週間前にまた施設の活動が始まったところに、国内情勢が緊迫し、再び施設を閉鎖せざるを得なかったと、同神父は話し、状況は明るいとは言えないが、わたしたちは数か月後の再開を希望している、と語った。

　かつてのタリバン政権の統治に照らして、今後の活動はリスクがあると思われるか、との問いに、サナヴィオ神父は、「カブールの子どもたちのために」の活動に対し、タリバンがどのようなことを提示するか、どのように耳を傾けるか、対話の糸口を模索する必要がある、と答えた。

　同神父は、「タリバン側は教育的・社会的活動を妨げるつもりはないと声明したと聞いたが、今のこの時点で、彼らと対話することはかなり難しいだろう」と述べた。