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「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」最後の全体会議で 2019年10月26日 「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」最後の全体会議で 2019年10月26日  (Vatican Media)

アマゾン特別シノドス:共に歩む教会のために、最終文書(その2)

「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」の最終文書の後半部の主な内容を見る。

2019年10月、バチカンで開催された「アマゾン周辺地域のための特別シノドス」は、参加司教たちの多くの提言を得て終了した。

10月26日(土)発表された同シノドスの最終文書は、序文・後付を伴う、以下、全5章の本篇からなる。

第1章「アマゾン:傾聴から統合的回心へ」
第2章「司牧的回心の新たな歩み」
第3章「文化的回心の新たな歩み」
第4章「エコロジー的回心の新たな歩み」
第5章「シノドス的回心の新たな歩み」

ここでは、同文書の後半部、第4章と第5章の主なポイントを紹介する。

第4章「エコロジー的回心の新たな歩み」では、アマゾン地域の前例を見ない社会・環境危機に対し、すべての要因を関連付けて考察する、「統合的なエコロジー」の視点を持つことを、同地域の未来を救うための唯一の道として示している。

人々の人権を守り、推進することは、政治・社会的な課題である前に、信仰上の要求である。

教会は、神の御業を保護するために、アマゾンの共同体と同盟し共に歩むべきと述べ、たとえば、「共通の家」を守るための役割、役務を制定することを提案している。

また、「エコロジー的な罪」を、神と隣人、共同体と環境に対する一つの「怠り」として定義することが提言されている。

さらに、アマゾンにおける「エコロジー的負債」を補うための国際基金の創設などのアイデアも記された。

第5章「シノドス的回心の新たな歩み」では、聖職者至上主義や押し付け的な態度を超え、対話と傾聴、霊的な識別の文化を強化することで、司牧問題の挑戦に応えるよう促している。

ここでは、シノドス性、すなわち皆で共に歩む態度を、第2バチカン公会議の継続性のもと、特に男女の信徒たちの参加をはじめ、共同責任性、皆が負う任務において考察している。

信徒の役割と奉献生活

教会生活とミッションに関する事柄をめぐり、信徒たちの参加は、男女平等な役割の推進と共に、助言においても、決定においても、より強化されるべきと記している。

信徒の参加については、役務の個人的な占有を防ぐために、それを持ち回り制にすることを勧めている。

また「司教は、司祭不在において、共同体のメンバーの中から、司祭的性格を伴うことのない一人の人物を、司牧的な世話を行うために、期間を限定して委任することができる」よう提案しており、この場合、責任は司祭が負うことを明記している。

シノドスは同時に、先住民族から修道者への召命推進、貧しい人々や疎外された人々のもとを巡回するなど、アマゾンに密接した奉献生活のあり方を提言している。

女性の積極的貢献

同文書は、女性の存在の重要性に多くのスペースを捧げている。

アマゾンにおいて、古くからの叡智は、大地を「母」なるものとして表現し、先住民族の社会で、女性は「人間性の推進において生き生きとした責任ある存在」である。

シノドスは、女性の声に耳を傾け、助言を求め、様々な決定に参加し、教会の司牧や管理上の必要に応じた指導的役割を果たしてもらうことで、教会のシノドス的歩みにおける女性たちの貢献を願っている。

「女性のための終身助祭」の制定も、シノドス中に多く扱われたテーマである。これについて、司教たちは、教皇フランシスコによって2016年に設立された、「女性助祭をめぐる研究委員会」における考察に期待を寄せた。

終身助祭

終身助祭の育成と役割の推進は、シノドスの急務の課題に挙がった。

助祭は、司教の権限のもとに共同体に奉仕し、特に今日、統合的エコロジー、人間の発展、社会司牧、貧しく弱い立場の人々の支援を促進するように招かれている。

そのためにも助祭には、学究と司牧経験を積んだ生涯養成が必要とされ、そこに助祭候補の妻と子も参加することも考えられる。

助祭の養成課程には、エキュメニカル対話および諸宗教対話、インカルチュレーション、アマゾンの教会史、愛情と性、先住民の宇宙観、統合的エコロジーのテーマが含まれているべきである。

司祭養成

これと同様、司祭養成においても、福音を生き、教会法の知識を持つ、イエスの憐みに倣う司牧者の育成と並行し、そこに、統合的エコロジー、創造の神学、先住民の神学、エコロジー的霊性、アマゾンの教会史、アマゾンの人間学・文化学の課程を含めることが推奨された。

ミサへの参加と司祭叙階

ミサへの参加は、キリスト教共同体にとって、中心的なことである。しかしながら、アマゾンの教会共同体は、ミサに与るために膨大な困難を抱えている。

司祭がミサを司式するため、あるいは赦しの秘跡、塗油の秘跡を授けるために、一つの共同体を訪れるのは、数カ月や数年ぶりであることがある。

シノドス文書は、教会共同体への奉仕にあまねく自らを捧げる司祭の独身性を神の賜物として、その価値を大切なものとし、独身性を生きる司祭たちに対し、多くの召し出しを祈っている。

その一方で、司祭の独身性は、「司祭自体の本質からは要求されていない」ものであることを指摘。

アマゾン地域の広大さと聖職者の少なさを考慮し、同文書は、「終身助祭としての豊かな経験を持ち、司祭になるための相応の養成を受けた者が、正当に形成された安定した家庭を保ちつつ、アマゾンの最も遠隔な地域において、御言葉を伝え、秘跡をとり行うことを通して、キリスト教共同体の生活を維持することができるよう、共同体で認められたふさわしい男性を司祭に叙階するための規則と処置を、担当当局が制定すること」を提言している。

なお、この提言については、いく人かの司教から、特定地域に限定されない、普遍的なテーマであるとの意見が出された、と明記されている。

シノドス後の地域教会組織とアマゾン地域の大学

シノドスは、アマゾンの各教区の広大な管轄領域の縮小・見直し、同じ地域の教会のグループ化、アマゾンのフロンティア宣教を支えるための基金の創設、シノドス後に新たな地域教会組織を創設することを提案した。

さらに、先住民族の伝統の尊重のもと、聖書に基づき、インカルチュレーションや文化対話の研究を行う、アマゾンのカトリック大学の創立が、アイデアとして挙げられた。

アマゾンの典礼

アマゾンの人々の世界観、伝統やシンボル、原始典礼などの要素に配慮した典礼を求める声に応え、アマゾンのための典礼を研究する委員会の設立、および、その典礼を、現在23様式あるカトリックの典礼に加えることが提案された。

また、キリスト教信仰のインカルチュレーション化を促進するために、聖書や典礼書をいくつかの地域の言語に翻訳するための委員会の設立や、音楽や歌を通して典礼を豊かにすることが提言された。

シノドス文書は、最後に、アマゾンにおいて様々な名のもとに崇敬されている、アマゾンの母、おとめマリアの保護を祈っている。

27 10月 2019, 14:17