シノドス2日目:全体会議での発表・討議、本格的に開始
バチカンで10月3日開幕した「若者、信仰そして召命の識別」をテーマにした世界代表司教会議(シノドス)は、2日目から全体会議での本格的な発表と討議に入った。
10月4日午前 第2全体会議
10月4日午前中の全体会議は、シノドスに傍聴者として参加している一人の発言に耳を傾けることからスタートした。
ここでは、今日の若者たちが本質的に対話、正真性、参加を求め、自分自身をより理解するために、話を聞き、指導してくれる人々を必要としている、という証言があった。
続いて、シノドス討議要綱の第1部「認める:現実に耳を傾ける教会」をめぐって、司教らの発言が行われた。
この中では、若者が教会に来るのを待つのではなく、いかに若者に教会をもたらすかが重要と指摘された。
また、教会は若者たちに耳を傾けながら、彼らの眼差しに映る未来に回答を与えることができなくてはならない。若者たちに信頼と寄り添い、希望を感じさせる、権威主義的でない、対話する司牧が必要、と意見された。
さらに、教会が若者を受け入れる時、互いの豊かさによって、教会自体も変わり、成長することができるという声が聞かれた。
若者の司牧を考える上で、愛や信頼、対話を教える家庭の大切さや、移民の若者たちを司牧者たちが父として助ける必要なども、意見として挙がった。
午前の全体会議の終わりに、各大陸から一人ずつ、「情報委員会」のメンバーが選任された。
10月4日午前 第3全体会議
同日午後の全体会議の発表では、新しい世代が世のパン種、光となり、平和と愛の文明の担い手となれるよう、教会の宣教の刷新が期待された。
教会は、「母」「家」として、声なき人の声を聞くように召されているように、
元こども兵士や、崩壊家庭の出身者、依存症、失業者、人身取引の犠牲者、職を求めての移民など、様々な状況に置かれた若者に寄り添う必要が説かれた。
夢も信仰もなく、消費主義や、ジェンダーなどの新しい思想、極端な自由主義などによって、方向性を失った若者たちの現状が見つめられると共に、性的なテーマについて、キリスト教的観点から、率直に話すことが求められているという指摘があった。
多くの若者は「堅信」の秘跡を受けた後に、小教区の共同体から遠ざかってしまうが、この問題に対し、司牧の刷新が期待された。
若者たちは、大人たちを現在の膠着した状態から助けると共に、分裂し傷ついた世界において、教会から預言的な交わりのしるしを望んでいる、と司教らは述べ、青少年を「宣教の心臓部」として示した。
未成年の虐待問題などで教会の信頼性が揺らぐ現在、若い人々に司祭たちへの信頼を取り戻させることが急務と認識された。
カテキズムや典礼、信心業の重要さを再認識することの勧めや、活動主義だけにとらわれないように、若者たちに祈りの重要さを教え、教会自体も若者たちのため、また召命のために祈ることが大切との提言もあった。
若者たちの成長に応じた霊的指導の必要性が説かれると共に、霊的教育の上でも、多くの聖人たちの生涯は、今日も教会の模範であり続けると強調された。