シノドス総会第1回全体会議 教皇フランシスコと、グレック枢機卿(中)、オロリッシュ枢機卿(左) 2023年10月4日 バチカン・パウロ6世ホール  シノドス総会第1回全体会議 教皇フランシスコと、グレック枢機卿(中)、オロリッシュ枢機卿(左) 2023年10月4日 バチカン・パウロ6世ホール   (Vatican Media)

シノドス総会第1回全体会議:事務局長の挨拶と議長の講話

「シノドス第16回通常総会・第1会期」の最初の全体会議で、シノドス事務局・事務局長、グレック枢機卿と、今シノドス総会の議長、オロリッシュ枢機卿が言葉を述べた。

 10月4日(水)午前、バチカンの聖ペトロ広場で、「共に歩む教会のため − 交わり、参加、そして宣教」をテーマに掲げた「世界代表司教会議(シノドス)第16回通常総会・第1会期」の開会ミサが祝われた。

 開会ミサに続き、同日午後、パウロ6世ホールで、第1回全体会議が行われた。

 この席上で、教皇フランシスコの導入の言葉に続き、シノドス事務局・事務局長マリオ・グレック枢機卿による挨拶が行われた。

 シノドス総会の開始にあたり、グレック枢機卿は、分岐路に立つ今日の教会は、神学的、教会学的な課題以上に、「すべての人々にとって、神の愛のしるし、道具となること」に召されている、と話し、「教会が神の愛のしるし、傷ついた人類をいやす薬となること」を願った。

 同枢機卿は、教会とシノドスとは同義であり、シノドス的教会とは、「人々に傾聴する教会」であると同時に、今日神がお望みになることを理解するために、伝統の光のもとに「みことばに耳を傾ける教会」である、と語った。

 また、同枢機卿は、シノドスのプロセスは普遍教会と地方教会との間の相互の内在性に基づくものであり、使徒の時代のように「心も魂も一つ」になることを体験するために、教会内の多様な賜物とカリスマをもって、互いの傾聴という形で表されるもの、と話した。

 こうした中、グレック枢機卿は、今回のシノドスにおいて初めて、信徒・修道者・助祭・司祭たちが「会議のメンバー」という完全なタイトルを得て参加していることを指摘した。

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 続いて、今シノドス総会の議長、ジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿による基調講話が行われた。

 オロリッシュ枢機卿は、わたしたちの言語の言葉遣いが少しずつ変化していくように、シノドスの表現法も時代と共に変化していくが、カトリック性という「文法」は変わらない、と述べ、わたしたちはシノドスのあり方、表現を学ぶように招かれている、と話した。

 教会は、キリストを中心に据えながら歴史の中を歩む神の民である、と述べた同枢機卿は、主に眼差しが向けられている時、自分と異なる考えを持つ人に気を取られることはない、と指摘。

 重要なのは、所属しているグループではなく、キリストの教会の中をキリストと共に歩むことである、と強調した。

 次いで、オロリッシュ枢機卿は、会期中の作業は識別のための4つの考察プログラムと5つ目の討議からなること、祈りに多くの時間を割くこと、分科会の作業では「聖霊のもとに会話する方法」をとり、互いの違いを尊重しつつ、誰もが自分の考えを表すことを目指す等、シノドスの作業過程とその方法などについて参加者らに説明。

 今総会の作業の最終的な目標について、合意に達した点や、さらなる考察が必要と思われる点などを示す、来年の同シノドス総会・第2会期に向けたロードマップ作りであると話した。

05 10月 2023, 10:27