パナマのラハス・ブランカスに一時的に逗留する移民たち 2024年3月11日 パナマのラハス・ブランカスに一時的に逗留する移民たち 2024年3月11日  (AFP)

「自分の人間としての尊厳を決して忘れないように」教皇、移民たちに

教皇フランシスコは、パナマの移民施設で保護を受けている人々に書簡をおくられた。

 教皇フランシスコは、パナマの移民施設で保護を受けている人々に書簡を通しメッセージをおくられた。

 教皇がメッセージをおくられたのは、パナマのラハス・ブランカスにある移民受け入れセンターで一時的な保護を受けている移民たちのグループ。

 パナマの東南部、コロンビア国境に近いラハス・ブランカスは、コロンビア、ハイチ、エクアドル、ベネズエラなどの中南米の国々から米国を目指す移民たちの中継地点の一つとなっている。

 移民たちの多くは、パナマ=コロンビア間の「ダリエン地峡」の通過を試みるが、この地帯は、南米と北米の大陸を結ぶ幹線道路網「パンアメリカンハイウェイ」の未開通区間であり、沼地と深いジャングルがおよそ100km以上続く旅路において、移民たちは武装組織からの搾取や暴力、野生動物や、マラリヤなどの熱帯病がもたらす危険に常にさらされている。

 教皇は短いが心のこもった書簡の中で、自分もまた、より良い未来を求め、何も持たないながらも、心は希望に満ちて旅立った移民の子であると述べ、現在移民施設で支援を受けている人々に精神的な寄り添いを示された。

 また、教皇は移民たちの司牧に当たる司教たちをはじめ、教会関係者に感謝を表明。これらの人々は、自分の子らと共に歩む母なる教会の顔であり、十字架を背負うキリストに布を差し出した聖ヴェロニカのように、移住という十字架の道行きに希望と慰めを与える人たちである、と記された。

 教皇は、皆が神の子、人類家族の一員であり、誰一人見捨てられてはならないと述べ、移民たちに自分たちの人間としての尊厳を決して忘れないようにと励まされた。

21 3月 2024, 15:58