教皇、カナダ司牧訪問について報告、一般謁見
教皇フランシスコは、8月3日、バチカンのパウロ6世ホールで、水曜恒例の一般謁見を行われた。
例年の通り、7月中に休止されていた教皇一般謁見は、この8月最初の水曜日から再び開催された。
この謁見のカテケーシスで、教皇は、先日行われたカナダ司牧訪問について報告された。
教皇はこのたびの訪問について、「他の訪問とは異なる訪問」と述べ、その目的は主に、かつてのカナダ政府の強制的同化政策に協力したカトリックを含む多くのキリスト教徒が先住民の人々に与えた苦しみに対し、自身の寄り添いと悲しみを表明し、赦しを乞うことであった、と説明された。
この意味で、現在カナダでは新しいページを記すためのプロセスが始まっており、カトリック教会は先住民の人々とこの歩みを共にしているところである、と教皇は述べ、実際、この訪問は「共に歩む」をモットーに掲げたものであった、と話された。
教皇は、このプロセスは歴史的認識を前提とし、生存者に耳を傾け、気づきと、回心、メンタリティーの変化をめざす「和解といやしの歩み」であると語った。
こうしたプロセスからわかったことは、教会には、先住民たちを守り、その言語と文化に対する知識に貢献した先住民の尊厳の勇気ある擁護者たちがいた一方で、残念なことに福音の教えとは反対の容認しがたい計画に加わったキリスト者たちもいたことである、と教皇は話した。
教皇はこの「悔悛の巡礼」を通し、「記憶」「和解」「いやし」のプロセスから生まれる「希望」を求め、エドモントン、ケベック、イカルイトを拠点に行った先住民の人々との出会いの行程をたどり、中でも「熊の丘」を意味するマスクワシスでのファースト・ネイション、メティス、イヌイットの代表者らとの集い、聖ヨアキムと聖アンナの祝日におけるラック・サンタンヌへの巡礼を振り返った。
また、この旅では、先住民の人々との歩みを支える軸である、教会関係者、そして政府関係者との出会いが行われたことにも教皇は言及した。
さらに、教皇は、訪問の最後に行われたイカルイトでの若者と高齢者との集いを思い起こされ、カナダにおいても、「記憶と預言」の間にある歴史を共に歩むために、お年寄りと若者の対話が、今日の時代の鍵となっている、と話された。
教皇は、カナダの先住民の人々の強さと平和的行動が、すべての先住民にとって、自分に閉じこもらないこと、また、より兄弟愛に満ちた人類への貢献、創造主と被造物を愛することの模範となるよう祈られた。