教皇フランシスコと司教たち 教皇フランシスコと司教たち  (Vatican Media)

教皇自発教令:教皇庁のいくつかの権能を地方教会の司教らに移管

教皇フランシスコは、自発教令を通し、教皇庁のいくつかの権能を地方教会の司教らに託された。

 フランシスコは、2月15日、自発教令の形の使徒的書簡「アッセニャーレ・アルクーネ・コンペテンツェ」(「いくつかの権能を託す)の意)を発表された。

 この自発教令を通し、教皇は教皇庁の管轄であったいくつかの権能を地方教会の司教らに託すと共に、それに伴い、教会法典の規則の一部を変更された。

 この教令による変更は、ラテン教会の教会法典と東方典礼カトリック教会の教会法典の両方に及ぶ。

 教皇は同自発教令で、普遍の教会の規律の一致を保証するための規則をめぐり、いくつかの権能を地方教会の執行責任者に託すことは、一致における教会の力学に呼応し、いっそう近接を高めるもの、と述べ、「健全な分権化」の大切さを強調している。

 そして、そのための規則の変更は、教皇との一致を保証しながら、画一化することなく各々の違いを認める、分かち合いと多様性ある教会の普遍性を反映するもの、と述べている。

 教皇は、この教令が地方教会当局のより迅速かつ効果的な司牧活動を助けるものとなることを期待された。

 同自発教令が扱ういくつかの変更の中でも、特に重要なものは、カテキズムの発行をめぐるものである。これまで、地方教会においてカテキズムの発行には教皇庁の「認可」が必要であったが、今後は、教皇庁の「確認」を得た上で、その発行のための監修は司教協議会に帰属するものとなる。

 また、同教令は、神学校の設立について新しい規則を示している。神学校の創立は、以前は教皇庁の「認可」を必要としたが、今後は教皇庁の「確認」を得た上で、全地域のための神学校の場合は司教協議会によって、そうでない場合は関心ある司教らによって、諸教区の集合体による神学校(seminario interdiocesano)を創立することができる。

 同教令は、この他、司祭育成や、聖職者の登録、修道者の各種許可、教会運営をめぐるいくつかの点についても、変更を記している。

 2022年2月11日に署名されたこの教令は、同年2月15日より施行される。

15 2月 2022, 17:23