COP26 会議で、教皇フランシスコのメッセージを読み上げるパロリン枢機卿 2021年11月2日 英・グラスゴー COP26 会議で、教皇フランシスコのメッセージを読み上げるパロリン枢機卿 2021年11月2日 英・グラスゴー  

COP26:教皇、連帯的で先見性ある共同アクションを励ます

教皇フランシスコは、英グラスゴーで開催中のCOP26会議にメッセージをおくられた。

教皇フランシスコは、英国・グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)にメッセージをおくられた。

 このメッセージは、バチカンから同会議に出席している国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿によって会場で読み上げられた。

 教皇はこのメッセージで、気候変動の悪影響を和らげ、その影響に苦しむ最も貧しく弱い人々を援助するために、人的・経済的・技術的資源を活用する政治的意志を国際社会に表すという、この会議の重要な課題を改めて見つめられた。

 教皇は、この時代の転換期、文明の挑戦を前に、すべての国々、特に豊かな国々が、気候変動の影響に対応し、この現象による損失と被害に応えるために、気候問題への投資、経済システムと人々の生活の脱炭素化、循環経済の促進、貧しい国々の支援の分野で、指導的な役割を果たすことを願われた。

 一方で、教皇庁としては、2020年12月12日、国連のハイレベル・オンライン会合で示したように、温暖化ガス排出量実質ゼロ目標のために、1) バチカン市国の2050年までに同目標を達成するための計画、2) 教皇庁の統合的エコロジーをめぐる教育の推進、の二つの面から取り組んでいることを紹介された。

 新型コロナウイルスによるパンデミックが人類にもたらした傷と、気候変動現象がもたらした傷は、グローバルな対立をその根源としている点で比較し得るもの、教皇は指摘。第二次世界大戦の後のように、今日、全国際社会が、連帯的で先見性ある共同のアクションを優先することが必要、と述べられた。

 わたしたちは希望と勇気を必要としている、と述べた教皇は、人類はこの変化に対応するための手段を持っており、その実現のためには個人と共同体の真の回心と決意が不可欠、と記された。

 すでに多くの人々を苦しめ、特に最も貧しい人々の日常生活に影響を及ぼし、子どもたちの権利を脅かしているこの気候変動危機、さらに将来的に環境に関連した移民や紛争難民の増加をもたらすであろうこの危機を前に、もはや待っている時間はない、と教皇は緊急の、責任と勇気ある行動を呼びかけられた。

 教皇は、今回、直接出席することはかなわなかったが、皆さんの選択を祈りをもって見守っていると、祈りの約束と共に、同会議への期待を表明された。

02 11月 2021, 19:47