教皇フランシスコ、スペインのラジオ局のインタビューで  教皇フランシスコ、スペインのラジオ局のインタビューで  

教皇「辞任考えたことがない」ラジオ放送インタビューで

教皇フランシスコは、スペインのラジオ放送のインタビューに答えられた。

 教皇フランシスコは、スペインのラジオ局のインタビューで、様々なテーマについて話された。

 教皇は、スペイン司教協議会のラジオ放送COPEにおける、ジャーナリスト、カルロス・エレラ氏のインタビューに答えられた。同氏との対話は、教皇のお住まいであるバチカンのサンタ・マルタ館で行われた。

 この中で教皇は、7月に受けた手術について初めて語ったほか、教皇庁の外交、ご自身の在位中の挑戦課題など、広い話題に触れられた。

 「体調はいかがですか」とのエレラ氏の冒頭の挨拶に、教皇は「まだ生きています」と笑いながら答えられた。

 教皇は先日の結腸の手術について、当初の抗生物質による治療方針に対し、バチカンで30年以上働く看護師が手術を強く勧め、そのおかげで「命を救われた」と話した。手術により「腸が33㎝短くなった」ものの、「完全に普通の」生活を送ることに支障はなく、「何でも食べることができる」と教皇は語り、9月12日から15日まで行われるハンガリーとスロバキア訪問を含め、多忙なスケジュールに変更はないことを明らかにした。

 健康問題に関連し、教皇はいくつかのメディアが伝えた教皇職からの辞任の可能性を完全に否定。そうした可能性について、「頭をよぎったこともない。わたしが辞任するだろうという彼らの考えがどこから出てきたのかわからない」、「教皇が病気になるたびに、すわ、コンクラーベかと、いつでも多少の騒ぎになる」と話した。

 アフガニスタンについて、教皇は「難しい状況」と述べながら、詳細には触れないながらも、教皇庁が外交レベルで現地の人々の支援のために努力していることを明らかにした。

 中国との関係をめぐり、教皇は「中国は容易ではない。しかし、対話をあきらめてはならないと確信している」、「間違いがあっても、それが進むべき道だ」と、対話構築に意欲を示したほか、新しい司教の任命など、具体的な成果を指摘された。

 教皇に選出されて以来、これまで8年間にわたる在位中に特に取り組んできた課題として、教皇は、教皇庁改革、バチカンの財政の透明化、教会における未成年者の虐待問題を挙げた。

 スペインでの安楽死容認法案の可決など、このテーマをとりまく最近の動きについて、教皇は、安楽死合法化は「役に立たないものは捨てる」という、今日の社会に浸透する「使い捨ての文化」の表れであると述べ、「問題解決のために、一つの命を排除するのは妥当ですか。問題解決に、刺客を雇うのは正しいことでしょうか」と問いかけた。

 また、教皇は、気候変動対策への取り組みとして今年11月に開催されるCOP26グラスゴー会議に言及、「その時の体調にもよるが、行く計画で、原稿も用意しつつある」と、会議出席に期待を表した。

01 9月 2021, 16:42