幼子イエスと聖ヨセフ 幼子イエスと聖ヨセフ 

聖ヨセフ:教皇「受け入れ、守り、神の計画を見る姿に学ぶ」

教皇フランシスコは、教皇庁立ベルギー神学院の関係者との出会いで、聖ヨセフの姿とその使命に学ぶようにと話された。

 教皇フランシスコは、3月18日、教皇庁立ベルギー神学院の関係者とお会いになった。

 この出会いは、ベルギー神学院の創立175周年を記念して行われた。

 同神学院はベルギー司教団によって支援されている。在籍者の中には、カロル・ヴォイティワ神父(後の聖ヨハネ・パウロ2世教皇)の名もある。1946年、ポーランドで司祭に叙階された直後、ローマへ派遣されたカロル神父は、ベルギー神学院で生活しながら教皇庁立聖トマス・アクィナス大学(アンジェリクム)に通っていた。

 教皇は関係者への挨拶で、翌3月19日は、同神学院の保護者でもある、聖ヨセフの祭日であることに言及。折しも「聖ヨセフの特別年」にあたり、教皇は、聖ヨセフの霊性から多くを学び、司祭生活に活かすようにと、司祭・神学生らを励まされた。

 教皇は、聖ヨセフは「受け入れる父」であると強調。ヨセフは個人的な人生の計画を保留し、自分が描いていた家庭生活のビジョンとは異なる形であっても、マリアとイエスを愛し、受け入れ、驚くべき神秘を信仰をもってそのままに受け取った、と述べた。

 たとえば、司祭がある小教区に新たに派遣される時、彼はその小教区の歴史や豊かさや問題点を見ることになるが、司祭は自分の理想や計画をすぐに押し付けずに、まず共同体を無償で愛することが大切である、と教皇は述べた。そして、愛するうちに、その共同体を深く知ることで、新しい道を見出すことができるだろう、と説かれた。

 また、聖ヨセフは「守る父」であり、「守る、保護する」ことは、ヨセフの召命と使命の本質であった、と教皇は指摘。

 ヨセフは、神から託されたマリアとイエスを、目立たず、謙遜な、沈黙の態度のうちに、常なる寄り添いと完全な忠実をもって守り、彼らの善と幸福を願い続けた、と語った。

 ヨセフにとってそうであったように、司祭にとっても、守るということは、託された人々を優しさをもって愛し、彼らのためを常に優先すること、と教皇は述べ、守るとは、目覚め、祈る心を持ちながら、常に他者を見つめる内的な態度である、と説いた。

 さらに、教皇は、聖ヨセフは「夢を見る父」である、と述べた。それは、現実から離れた夢見人を意味するのではなく、目の前に見ているものの彼方を預言的眼差しで見、神のご計画をそこに認める力を持つ人のことである、と教皇は説明。実際、ヨセフは、マリアとイエスの中に、神の働きと、神の現存を見ていた、と語った。

 教皇は、司祭も愛する共同体をただ守るだけでなく、宣教的な視点でその回心と刷新と成長を助けなければならない、と話された。

 神の御旨に忠実に、託された大きな使命を謙遜と従順のうちに、創造的に遂行するしもべ、ヨセフの姿を、この特別年に祈りにおいて観想するよう、教皇は神学院の関係者らを招かれた。

18 3月 2021, 15:19