国際農業開発基金・第42回総会開会式で講演する教皇フランシスコ 2019年2月14日 国際農業開発基金・第42回総会開会式で講演する教皇フランシスコ 2019年2月14日 

「貧困・飢餓問題への積極的な取り組みを」教皇、IFAD総会開会式に

教皇フランシスコは、ローマの国連食糧農業機関を訪問。国際農業開発基金の総会に出席された。

教皇フランシスコは、2月14日、ローマ市内の国連食糧農業機関(FAO)本部を訪問され、国際農業開発基金(IFAD)第42回総会の開会式に出席された。

教皇フランシスコがFAO本部を訪れるのは、2014年11月、2017年10月に続き、今回で3度目となる。

IFAD総会開会式で講演された教皇は、貧困と飢餓に苦しむ世界の兄弟姉妹たちのために、これらの問題への積極的な取り組みと責任を、国際社会に呼びかけられた。

教皇は、大気や水質の汚染、天然資源の搾取、水不足、医療システムの不備、ふさわしくない住環境など、世界各地で不安定な状況を生きる人々の叫びに耳を傾け、これらの人々の不安に関心を持つ必要を強調。

貧困と闘い、飢餓を現在と未来から消し去るためには、国際共同体と市民社会、資源を所有する人々の協力と、責任を回避し合うことのない、具体的で現実的な解決を求める姿勢が不可欠と述べた。

「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が掲げる17の目標の最初の2つ「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」を遂行する上で、苦しむ人々の必要に具体的に応えるIFADの事業が非常に重要な役割を果たしていることを教皇は評価された。

飢餓に脅かされている人々の大半が、世界の農村地帯に暮らし、食料生産に携わっていることに、教皇は矛盾を見出すと共に、農村から都会への人口流出という世界的傾向も無視できない問題として示された。

教皇は、地域の発展の中で、すべての人、すべての共同体が、それぞれの能力を余すところなく発揮し、人間の尊厳にふさわしい生活を送ることができるよう、また農村地域の人々が自分たちの生産と発展の責任ある主役となれるよう、そのための各国政府や組織の具体的な努力を願われた。

また、「科学を良心をもって用いる」ことの必要を説く教皇は、技術を貧しい人々への真の奉仕に用い、新しいテクノロジーを地域の文化や伝統と対立させることなく、統合的、相乗的な方法で役立てるようにと希望された。

14 2月 2019, 17:52